Q1.株主総会決議の不存在と代表取締役の地位

Q1.株主総会決議の不存在と代表取締役の地位
 私の経営する会社は中小企業なので、株主総会を全くやらないでいたところ、先日、突然、仲たがいした当社の株主でもある弟より、株主総会決議がないことを理由に、私が代表取締役ではない等と記載された通知が来ました。
 放置していてよいでしょうか。

 

answer2.jpg

 

A1.おそらく放置していると、後日、株主総会決議取消訴訟同不存在確認訴訟等が提起されてくるものと思われます。
 現時点で、あなたが発行済株式総数の過半数を保有していたらそれほど問題は大きくありません。
 まずは、決算書類に付属されている、同族会社の判定に関する明細書で、会社の支配割合を確認してください。
 あなたが株式の過半数を保有しているのならば、今からでも株主総会を開催し、取締役選任を決議することができますし、株主総会開催前にあなたが会社を代表してした取引が、当然にすべて無効になるということもありません。
 他方で、あなたが単独では過半数の株式を保有していない場合は、第三者株主をいち早く味方につける必要があります。
 ここは政治の問題であって法律の問題ではありません。
 最悪、弟側に他の株主がついた場合、あなたは会社を乗っ取られることになります。
 どうやって第三者株主を味方につけるかは、個人個人の人的情誼が絡む問題なので一概には言えませんが、ご相談いただければ説得工作のお手伝いをすることは可能です。
 また、上記判定明細書上、あなたが単独で過半数株式を有するとされていても、その取得経緯によっては、相手方が実際の支配比率と異なるなどと主張してくることもありますので、早い段階で弁護士に相談されることをお勧めします。