第32回 熱中症について

ずいぶん更新が途切れていました。サボっていたわけではなく、純粋に忙しかったのでお許しください。前回は、春になって暖かくなりました、などと書いていましたが、いつの間にか7月になり、蒸し暑い日が続くようになりました。この時期多くなるのが、熱中症です。
熱中症とは、症状により

  1. 体の体温が上昇し、そのため血管が開いて血液の循環がうまくできなくなり脳への血液が足らなくなって気分が悪くなったり、めまいや失神が起きる熱失神
  2. 大量の汗をかきこの水分が補充できないと脱水状態になりますがこれによって起きる倦怠感などの症状を示す熱疲労
  3. 脱水状態のときに水分だけ補充すると血液の塩分が薄くなりけいれんなどが起きる熱けいれん
  4. そして一番怖いのが、体温の上昇のため脳がダメージを受け、頭痛、めまい、吐き気などの後に意識がなくなる熱射病 があります。

昔は、真夏の日中や高温多湿の職場での、スポーツや肉体労働をした場合によく報告されていましたが、職場での熱中症は、職場環境の改善とともに減少し、最近は、クラブ活動の学生さんや閉め切った部屋の中でお年寄りが熱中症にかかっているのがよく報告されています。

予防は、とにかく水分補給を心がけること、スポーツなどで汗をよくかく方は塩分の補充もあわせて行うこと、適度に休憩を取り体温の上昇を避けることです。ゴルフ、テニスなどスポーツをされる方は、前日からの体調管理が重要で、夜更かしやアルコール多飲のままで運動するとリスクはぐっと上がってきます。

室内で窓を開けずに風通しを悪くした中で生活すると熱中症になりやすいので窓を閉める場合は、エアコンをかけることが重要です。私は、クーラーが嫌いだから、と言う方は、窓、玄関を開け、風通しを良くしてください。プラス扇風機などで部屋に熱がこもらないようにするといいと思います。特にお年寄りは、のどの渇きにたいするセンサーが弱く、頻尿があるので意図的に水分を避けておられる方もおられ、脱水になっていても気づかないことがあり、周りの人が積極的に水分摂取を勧めてあげた方がよいと思われます。

熱中症になっている方を発見したら、

  1. 日陰など風通しのよいところで衣服をゆるめ下肢を上げる。
  2. 霧吹きなどで水をかけて体を冷やす、団扇などで風を送る。
  3. スポーツドリンクなどを飲ませる。

勿論意識障害などあれば、直ちに救急車を呼んでください。