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2022-05-12 08:00:00

訪問をありがとうございます。

 

少し前の記事になりますが、5月9日にこんな記事が出ていました。

 

「要介護度が低い=家族介護負担が小さい」わけではない、家族介護者の負担・ストレスに留意を—都健康長寿医療センター

 

ちなみに、この記事の基はこちらです。

 

そんなわけで、今日は家族介護とストレスについて書いてみたいと思います。

 

 

 

 

まずは、こちらの図から☆

 

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(出典:地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターHP『家族をケアする:毎日の生活という文脈での家族介護を考える』より

 

この報告の中で言われていることは、『介護で感じている家族のストレスを放置していると、慢性的な身体・精神健康に影響することが明らかになっているよ』ということです。

 

記事の中で、下記のタイプは介護者が感じるストレスや負担感はぐっと低くなると書いてあります。

 

◆家族介護者に過去に介護の経験がある場合

 

◆経済的な余裕がある場合

 

◆困ったときに頼れる家族や友人の存在がある場合

 

◆頼れる医療や介護の専門家がいる場合

 

一方で、認知機能の低下により意思疎通が難しくなったり認知症の周辺症状が生じる程度が頻回になったりする介護の場合は、負担を大きく感じることになるとも書かれています。

 

他、家族間での不和が生じたり、ケアを提供することによって仕事を辞めざるを得なくなったり、好きな活動を制限せざるを得ないことが、介護のストレスに繋がることもあると書かれています。

 

報告書を読む限り、『まぁ、そうだろうね』という感想を持たれる方もおられるかもしれません。

 

 

 

 

私は昔、育児で感じたことがあるのですが、専門職(保育士)にとっての子どもは、多数のサンプルを踏まえ相対的な比較判断で支援するため手慣れたものですが、親にとって一人目の子どもは比較対象のない絶対値であり、だからこそ一喜一憂したり、専門職に『大丈夫』と言われても、『何がどうして大丈夫と判断したのだ?』と不安が解消されることはありませんでした。

 

これが高齢者介護にも当てはまるということで、つまり専門職にとっては『あるある~』だとしても、介護している家族にとっては『初めての経験』であり、戸惑うということはたくさんあるということを理解する必要があるということだと思います。

 

ここを適当に対応すると、家族から『なんだか(ケアマネジャーに)自分が軽んじられている感じがする』という不満を持たれ、クレームや不満に発展する事例をいくつも見てきました。

 

 

 

 

という話を踏まえて、今回紹介したいのはこちらです。

 

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左側のピンクの冊子は医療介護従事者向けです。

 

右側の黄緑色の冊子は介護を担う家族向けです。

 

赤字部分をクリックするとPDFに飛ぶため、ぜひ家族向けは両面コピーを複数行い、これから出会う利用者家族に対して契約時などに渡したいと思うくらい、分かりやすいです。

 

 

 

 

ジワリジワリと役割の増えていくケアマネジャーですが、家族支援は先日の育児介護休業法等の理解も含め、今後の法廷研修でも取り扱われるようになります。

 

・・・という状況を踏まえ、今回は情報提供させていただきました☆

 

皆さんは家族支援について、どのように感じていますか?

 


2022-05-11 08:00:00

訪問をありがとうございます。

 

一昨日から書いている『マイホーム山谷から考える地域包括ケアシステム』ですが、今日で終わりにしたいと思います(長々と考えながら書いている記事をお読みいただいている皆様には、感謝しかありません)。

 

 

 

 

各地域の実情に合った地域包括ケアを構築していくためには、現状を正しく知ることから始まります。

 

当区の場合、行政と協働している相互扶助的な現在の支援のメインは町会自治会となっており、他、美化活動や災害支援等は、各部署がそれぞれ任意団体を創り上げて協働している現状があります(私の認識不足で間違っていたら教えてください)。

 

つまり、住民から始まった活動に行政が絡んでいる活動というのはあまりなく、数少ない事例としては、代表者が行政と強いパイプを持っており、そこに働きかけながら協働しているケース程度です。

 

では、いわゆる住民が立ち上げたボランティア等の活動団体はどういう部分で行政と関わりを持っているのかというと、地域振興部という部署の『ことこみゅネット』というサイト掲載のみです(自己申請型団体紹介サイト)。

 

ちなみに、当区の町会自治会加入率はこんな感じです(下の図参照)。

 

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出典:町会・自治会活動支援ハンドブック~2022年度版~P2

 

 

 

 

これは令和3年 4 月 1 日現在の状況ですが、加入数は増えているものの加入率は年々減少している状況があります。

 

私は町会自治会加入を支持していますが、加入率が減少している現状では、本来町会自治会に委ねている活動を、別の機関に委ねなければならないことは、ご理解いただけると思います。

 

その補完を、地域の活動団体(ボランティア等)に委ねるのが良いと思うのです。

 

 

 

 

・・・と言っても、行政が様々な活動団体を管理しろとかそういう話ではありません。

 

行政に期待しているのは、『団体と団体をつなぐこと』なんです。

 

その方法…例えば、定期的に活動団体向けに集いの場を提供したり、その中で活動団体同士が意見交換できる場を設けるだけでも十分だと思うのです(その活動団体に町会自治会も含)。

 

つまり、行政は本来の役割である『住民をエンパワメント』する仕掛けをするだけで良く、あとは勝手に住民がつながり活動をより発展させていくと思うのです。

 

それを見守りつつ、各団体が『困った!』と言ってきた時に後方支援をするだけで、団体にとっては大きな力添えを感じることができます。

 

 

 

 

全国的にみても、多様性が重視されており、町会自治会の加入率低下は全国的に起きている現象です。

 

それが可視化されているのであれば、時代(多様な価値観の包摂)に合わせて、町会自治会同様に地域活動も後押ししながら、住民の持っている力を最大限引き出す方式を行政は行うことが肝要で、それが、地域包括ケア推進の一番の方法だと思うのです。

 

 

 

 

書籍の中で山本さんは、山谷式ケアシステムの鍵を握るのは『愛かな』と書いてありましたが、それは山谷スタイル。

 

愛があるから地域支援できると考えるだけでなく、地域支援を行うから愛が育まれるのかと思えば、行政が地域活動の邪魔をせず、住民の集いの場と交流機会のみ提供することで、ある程度制度にとらわれない支援体制は整備されていくような気がするんですよねぇ。

 

そんなわけでダラダラと書きましたが、結論としてはこんな感じです。

 

『制度やシステムに依存しすぎるのではなく、地域にある自主団体を上手に活かしながら自由に活動ができるよう行政は後方支援という形で関与しながら団体同士をつなぐことができれば、地域包括ケアシステムは成功するのではないか』

 

皆さんは、今回の結論についてどのように感じましたか?


2022-05-10 08:00:00

訪問をありがとうございます。

 

昨夜は、アートパラの市民祭で知り合った不動産業の方と会合をしました。

 

『地域』という共通認識を通じて、さまざまな分野の方と話ができることは何よりの財産です。

 

ありがたや、ありがたや☆

 

 

 

 

さて、先日は書籍『マイホーム山谷』から地域包括ケアシステムを考えるというテーマで書かせていただきましたが、今日もその続きです。

 

昨日は、山谷地区の仕組みは他自治体で横展開『困難』と書きましたが、『無理』とは書きませんでした。

 

というのも、山谷地区が現在の仕組みをつくることができた根源が、この本には書かれていたからです。

 

 

 

 

以下、本の一部を引用した画像を添付します。

 

1.png

 

 

 

 

本の中で山本さんは『山谷式地域包括ケアが実現できたのは愛なんじゃないかな』と言っているわけです。

 

一読者として私は『愛というより情とか関心という方が適切かな』と思いましたが、とにもかくにも、地域包括ケアシステムを構築する上で必要なのは、システムを使う側の『愛(多分博愛的な愛)』がポイントになることがわかりました(とはいえ、愛と書くのは何となく抵抗があるので、ここでは関心と書きます)。

 

えぇ、ここに実現可能な地域包括ケアシステムのヒントが眠っていると、私は感じたのです。

 

 

 

 

前述したとおり、山谷地区は特殊な地域と言われており、それが故に、様々な地域からボランティア等支援者が集まり支援を進めています。

 

ここが最初のポイント☆

 

地縁から自然発生的に生まれた支援者ではないという点と、支援者は『自分の意思で支援を始めている』という点。

 

そして、次のポイントが『支援者が医療保険や介護保険といった制度にとらわれることなく柔軟に対応する姿勢』という点。

 

対象に関心を持ち自発的に取り組み、なおかつ、制度の枠にとらわれることなく柔軟に対応することができる存在。

 

お気づきになった方もおられるかもしれませんが、これ、地域活動(ボランティア)そのものなんですね。

 

 

 

 

町会などのように、たまたまこの地域に住んでいるから『地域のために奉仕しなければならない』とべき論で地域活動をするのではなく、社会システムという制約の中で不合理を感じながらも辻褄を合わせながら支援を行うのでもなく、純粋に関わる人や事に関心を持ち主体的に活動する団体は、まさに地域活動(ボランティア)そのものです。

 

であるならば、現在厚労省を始めとする行政が盛んにアプローチしている方向性(医療介護業界に対してのシステム構築アナウンス)は、ある意味的外れであり、本当に周知し巻き込むのは、やはりそこに住む住民自身だということになります。

 

そして、地域包括ケアシステムの進め方としては、支援者同士が何度も話し合いをしながら共通認識や多様な価値観・視点を育むための土壌(話し合いの場を設ける等)づくりだということになります。

 

・・・なんて、1冊の本からずいぶんと引っ張る私ですが、次回でまとめに入りたいと思います。

 

明日は、『マイホーム山谷』を踏まえて、私が考える地域包括ケアのあり方について書きたいと思います。

 

・・・・・・覚えていたらですが(爆)。

 


2022-05-09 08:00:00

訪問をありがとうございます。

 

この連休は読みたかった書籍を片っ端から読破するという、いかにもインドアの私らしい時間の過ごし方をしていました。

 

で、数ある書籍の中にはアタリがあったりハズレがあったりするわけですが、『イチ推し!!!』という本について、今日は書きます。

 

 

 

 

まずは、Amazonのリンクと書籍画像を添付します。

 

マイホーム山谷

 

1.png

 

 この本は、第28回小学館ノンフィクション大賞受賞作であり、Amazonの評価は星4.6です。

 

本の説明については、上記のリンクを読んでいただきたいと思いますが、私がこの本を一言で説明すると、『山谷のケアシステムを通じてこれからの地域包括ケアシステムを考えることのできる本』です。

 

台東区と荒川区の一部にまたがる通称『山谷地区』でホームレスの方々のためにホスピス施設『きぼうのいえ』を設立、その後、ドキュメンタリー映画やメディア(『プロフェッショナル 仕事の流儀』や書籍)にも出演したり、山田洋次監督の映画『おとうと』のモデルになったりと華々しい活躍をされていた山本雅基さんと、それを支えている妻美恵さんの現在を書いた作品です。

 

 

 

 

この本で私が注目したのは以下の2点です。

 

1)山谷地区のフォーマルに捉われない支援体制がどうやって確立してきたのか。

 

2)その手法は他自治体でも横展開できるようなものなのか。

 

 

 

 

そんなわけで山本さんの人柄やプライベートは割愛しますが、本を読んでの結論は、

 

1)既存のシステムにとらわれるのではなく、支援者が主体となり地域社会と連携しあいながら地域を創っている(制度を地域や住民に当てはめるのではなく、地域やそこで暮らす人をみて必要な支援を展開・確率していく)。

 

2)制度にとらわれない人たち(採算度外視の簿欄足り溢れる支援者)が集まり体制を構築している特殊性は、他自治体でそのまま横展開することは困難である。

 

でした。

 

つまり、山谷地区は、地域独特の相互扶助と共助公助を上手に組み合わせる仕組みができており、個々にカスタマイズされた支援を提供できるようにするには、支援者に高いボランタリー精神があること、そして、支援者間で必要に応じてつながりながら地域全体で支えていこうというマインドを醸成する必要があるということです。

 

言い換えれば、山谷地区のような旗がないとそもそもボランタリー精神(損得勘定抜きの奉仕精神)に溢れた支援者が集いにくいという点で横展開は困難であるということです。

 

では、高いボランタリー精神を持った人たちのマインドとはどのようなものかというと、『支援が必要な人に対して家族のように関わることのできる人』と書籍には書かれています。

 

うん、介護とはいえ『仕事』として担っている支援者に、そこまで期待する事は困難ですね。

 

 

 

 

とはいえ、この本を読み終わった後に悲観にくれたかというとそうでもなく、まだ完全に整理はされていませんが、ヒントはもらった気がしています。

 

この辺りについては、明日の更新で書かせていただきます。

 

皆さんの地域では、地域包括ケアシステムの構築が順調に進んでいますか?


2022-05-06 08:00:00

訪問をありがとうございます。

 

先日、知人と話をしている際に『ITやらICTやらワケのわからない言葉が出てきて困るわぁ』という話を受けました。

 

そんなわけで、今日は知っておいた方が良いかなぁと思う言葉の解説をさせていただきます☆

 

 

 

 

まず、一番に知っていただきたいのは、『デジタル化とIT化は違う』ということです。

 

1.png

 

 

こんな感じです。

 

デジタルというのは針のない数字で表記された時計などもこれに当たります。

 

ITはコンピューターやスマートフォン情報技術を指します。

 

 

 

 

 

 

という前提を踏まえて、次の言葉の意味を書かせていただきます。

 

1.png

 

 

昨年度から本格稼働したLIFEはICTですね。

 

ICTは基本的にITと同じ意味だという説もありますが、情報の伝達(コミュニケーション)に重きを置いているかがポイントになります。

 

遠隔医療やテレワークなんかもICTに入ります。

 

一方で、IOTというのは、様々なものをインターネットにつながることでできるようになるサービスを指します。

 

ITとICTが似ているものであることに対して、IOTは全く違うものなんですね。

 

 

 

 

まとめると、こんな感じになります。

 

1.png

 

似たような言葉でわかりにくいかもしれませんが、これらの意味や違いを押さえておくだけで、色んなニュースや記事の理解度は上がるような気がしたため、まとめさせていただきました☆

 

正体のわからないものは不安になりますが、正体が分かればそれは緩和されます。

 

『コンピューターなんてわからない!』と頭ごなしに拒否するのではなく、意味と活用例だけでも押さえておけば、今後ICT化が進むであろう介護業界の変化にも対応できると思います。

 

もし、機会があればAI(Artificial Intelligence)やDX(Digital Tranceformation)についても、いつか書きたいと思います。


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