インフォメーション

2020-01-29 08:40:00

訪問をありがとうございます。

 

昨日は、大切な知人が所要に合わせてわざわざ錦糸町まで出てきてくれ、今後の事業計画や制度の行方についてたくさん話をしました。

 

この方は、私と違って介護に関する様々な事業展開をされています。

 

それも『儲け云々』ではなく、自分なりに『地域にこういう資源があればみんなが過ごしやすくなるのではないか?』と考え、事業を展開し、それが結果を出しているという、本当に素晴らしい方です。

 

『若いのにすごいなぁ~』と思うのですが、改めてよくよく聞いたら大学時代に経済学部に所属していたとのこと。

 

なるほどと納得しました。

 

 

 

 

さて、そんな知人との話の中で、私はボンヤリと介護保険制度を通じて『地方分権』や『地域創生』というものについて考えていました。

 

あ、最初に書いておきますが、私は行政の方々には敬意を持っています(特に事務スキルには頭が下がります)。

 

…という前置きをしたうえで、本題に入りますね。

 

 

 

 

地方分権は小渕政権の際に『地方公共団体の自主性・自立性が高まることにより、住民の意向を踏まえて細やかな地域ごとに対応した自治が運営できる』という事で地方分権のメリットを強調されました。

 

その後、地方分権一括法というものが2000年4月から施行されたわけですが、介護保険もこの絡みで『保険者は自治体に』という事で、先だった取り組みとして脚光を浴びたわけです(たまに保険者ルールに不満を感じている方がおられますが、この辺りの流れを今一度確認すると納得いただけるかと思います)。

 

そう、そもそもこの法案を以て、国と地方の関係性は『上下・主従関係』から『対等・協力関係』になったはずなんですよね。

 

 

 

 

一方で、20年が経ってどうだったかの振り返りをしてみると、地方自治は親離れできない子どものごとく、柔軟に住民の希望する形での采配を振るうことができなかったのですね。

 

つまり、『今までの習慣のせいか、自治体は住民を向いて自治を進めるのではなく、都道府県や国の方を向いて進めてきたのではないか』というのが私の感想です。

 

調べたところによると、2000年の法律では、自治体の『法定受託事務』とはパスポートなどの発給など国の仕事を自治体に委託する業務のことで、それ以外の部分では法令に違反しない限り、『自治体の判断で内容を決める』という権限を持ったわけなんです。

 

そのため、介護保険に関してもいわゆる保険者ルールを始め、皆さんご存じのとおりです。

※医療保険に就ては専門外なため説明は省きます。

 

ここで悩ましい部分ですが、民間企業だと権利を持つという事は結果も求められるということがありますが、国は企業のごとく自治体に『結果』を求めるようになります。

 

当然、頑張る自治体とそうでない自治体と差異は出ますが、国は『頑張っている自治体にインセンティブをつけることで、一律の地方交付金ではなく、差別化を図ろう』と言い出したわけです。

 

それが『保険者機能強化推進交付金』と呼ばれるもので18年度から200億円の予算を組まれているのですが、これは来年度から倍額にして、通いの場を中心に、高齢者の健康寿命延伸の取り組みに本格的に取り組もうとしています。

 

 

 

 

で、ですね、改めて考えてみると、国は『地域の独自性』に期待していると言いつつも、実際は給付抑制の一端を自治体に担わせようとしているというか、『効果的運営(特に費用対効果)』を求めているわけで。

 

『君たちの独自性に期待しているよ。ただし効果的な結果は出してね』と言われているわけです(民間では当たり前のことですが、これを自治体に求めることはかなり酷だと個人的には感じています)。

 

一方の自治体は数年前まで親(国)が何でも導いてくれていた状態から急に放り出されたわけだから、オロオロしてしまうのは否めないと思うんです(しかも独自性を実施するということは責任を負うというという事だから、慣れていない行政職員は行動を起こしにくいのだと思うのもわかります)。

 

結果、地方分権については、ほとんどの自治体で様々な事業が『マルっと民間企業等に委託』という形になって進められている感が否めません。

 

先日観たニュースでは、2014年から始まった地方創生にしても、各自治体に行った調査では、1342自治体のうち約8割が総合戦略の策定をコンサルタントに委託しているような状況になっているわけです(2017年地方自治総合研究所調査結果より)。

 

ゼロから何かを創ることは大変でしょうが、地方分権も地方創生もコンサルや委託業者に『まるっと』投げてしまうということはもったいないというか、大変変かもしれないけど、そこは『シャンシャン』で丸く収める業者より、七転八倒するかもしれないけど住民と協働事業を増やしたり、意見交換の場を積極的に持ちながら、自治体で頑張って取り組んだ方が、長期目線で見れば、『住み慣れた自治』は確立できたのではないかなぁ~、という気がしています。

 

いや、これからの取り組みでも遅くはないです!!!

 

 

 

 

そんなわけで、法律ができて20年経ったわけだから、そろそろその『上の顔色をみつつ周囲の温度を確認しながら事なかれにする動きを辞めませんか?』と思ってしまうわけです。

 

まずは、地域の住民の代弁者となっている区議会議員が、積極的に議会の中で地域住民の声を発信しながら有意義な議論を展開していく。

 

その上で、自治体が改めて住民や地域密着企業・専門職等からたくさんヒアリングや意見交換を行い、『私たちは地域をどうしたいのか』を考え抜く。

 

これ、本気で取り組んでくれないかなぁ~と思っちゃうんですよねぇ~。

 

『法令に違反しない』という事に留意しつつ、自治体が本気で地域を『自分事』として取り組んだら、今よりきっと何倍も住みやすい地域が実現できると思うし、住民や企業も積極的にまちづくりに協力をしてくれると思います。

 

そんなことを考えながら、その具現化に向けてナラティブアプローチで対話していこうと再び誓った私でした☆

 

皆さんの地域では、地方分権・地方創生に伴う『住民の声の反映しやすいまちづくり』はどの程度進んでいますか?