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2019-06-21 07:27:00

訪問をありがとうございます。

 

昨日は、午後から研修打ち合わせに参加し、夜は江東リンクの会という企業集いの場に参加をしました。

 

経営者の方々は皆さんとてもポジティブで、様々なつながり一つひとつを大切にしており、その姿勢に学ぶところはたくさんありました。

 

そして、私はいつも名刺を待ち歩いていないため、まずは社会人としてのルールをきちんとしようと思いました。

 

 

 

 

さて、今日は一昨日夜に、認知症施策でWAM助成に採択されたNPO団体の方とお話をしました。

 

人との出会いはたくさんの学びを与えてくれます。

 

そして、認知症施策といえば、政府が18日に認知症対策を強化するため、2025年までの施策を盛り込んだ、新たな大網を関係閣僚会議で決定しました。

 

認知症施策推進関係閣僚会議(下記のページをコピペして検索して、上から2つめのサイトを選択してください)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ninchisho_kaigi/dai2/gijisidai.html

 

今回は私、かなり毒舌です。

 

そのため、新認知症施策に共感をされる方はスルーしてください(今回は批判しかしていませんので、読まれる方はそれをご了承ください)。 

 

 

 

 

ご存じの方もおられるかもしれませんが、認知症の発症や進行を遅らせることを『予防』と定義し、認知症の人が暮らしやすい社会を目指す『共生』とともに2本柱を掲げています。

 

で、ですね、これは安倍首相の言葉です。

 

『共生と予防を車の車輪として取り組みを強力に推進していく。誰もがいくつになっても活躍できる生涯現役社会の実現に向けて全力を尽くしてください』とのこと。

 

ここのポイントは、今までは『予防と共生』という表現だったのを、『共生と予防』としているんですね。

 

言葉遊びみたいな感も否めませんが、私はこれを『今の医療では予防のエビデンスがほぼない状態だから、とりあえず共生を先にやらせよう』と受け取らせていただきました。 

 

 

 

 

 

で、具体的な認知症対策の新大網のポイントはこんな感じです。

 

【共生】

 

1、『認知症本人大使』なるものを創設し、認知症本人からの発信の機会も増やしたり、地域で生活する当事者とともに、認知症の啓発に力を入れる。

 

2、鉄道やバスなど一定の規模以上の公共交通事業事業者に対し、認知症の人を含む高齢者などへの対応や研修のあり方を含む計画の作成と、取り組みの状況の報告・公表を義務づける。

 

3、成年後見人制度の利用を促進するために、21年度までに家庭裁判所など関係機関同士の調整を担う『中核機関』を全市区町村に新設する。

 

【予防】

 

1、認知症を『誰もがなりうる』として、予防については『認知症になるのを遅らせる』や『進行を緩やかにする』とする。

 

2、今後については、認知症の発症や進行の仕組みを解明するため科学的な証拠を収集し、予防・診断・治療法の研究を進める。

 

3、公民館など高齢者にとっての『通いの場』の拡充を重要政策の一つに位置づけ、65歳以上の高齢者の参加率を4.9%(17年度)から8%程度に増やすことを盛り込む。

 

他にも、安全運転の支援システムを搭載した自動車に限定して、高齢者の運転を認める新制度の検討も進んでおり、年度内に同制度の方向性を決めると記載しています(小池都知事は9割補助とか言っていましたね)。

 

 

 

 

で、ですね、資料を読んだ私の個人的感想ですが、『向いている方向が違うだろう!!!』です。

 

確かに認知症は社会的課題となります。

 

が、ルールでガチガチに縛り付けたり、制度を創設して細分化することで縦割り感を増したり、ハード面をどれだけ整えても、はっきり言って認知症の方々が住みやすい社会になるかと聞かれたら、私は『ならない』と断言しちゃいます。

 

本当の課題はそこではないと思うからです。

 

そして、政府のこういった上から目線の自分たちに取って都合の良い部分だけを活用した施策なんて、何の意味もないだけか、『今すぐ鉄道会社とバス会社などに「私たちの大義名分のために大変なご迷惑をおかけすることになり申し訳ございません」と謝ってきてほしい』とすら本気で思っちゃています。

 

というわけで、ここからは毒舌スタートです。

 

 

 

 

確かに、公共交通機関や等が認知症の方々に優しい配慮をしてくれることはありがたいです。

 

スーパーなど生活のライフラインも行ってくれたら、それだけ住みやすい社会になるでしょう。

 

が!!!計画の作成と、取り組みの状況の報告・公表を義務づけるって何だ?

 

もう、なんで国は『義務づけることで対象者の主体性を奪い思考停止させてしまう』ということに気づかないんだろう?

 

そして、自分たちに取って都合良く制度設計をし、それに巻き込まれた企業のご苦労がどんなものであるかの想像力がないんだろう?

 

無理矢理強制するなんて、勉強に興味のない子に『あんた!勉強しなさい!!!』と怒鳴り散らすお母さんと一緒で、あげく『きちんとやらなきゃだめよ!ちゃんと勉強の計画を立てて進行状況をお母さんに報告しなさいよ!!!これは命令よ!!!』といっているようなものです。

 

これで、『よしわかった!お母さんが言うなら僕頑張る!勉強に興味を持って前向きに取り組むよ♪』と思う子が、どのくらいいると思いますか?

 

普通、勉強に興味のない子なら『ウゼぇ~~~』って思いますよ。

 

国は企業に、これと同じことを強要しているわけです(しかも、親子のように信頼関係のできていない相手に…)。

 

…というわけで、今回、計画と取り組み状況の報告義務で、企業は迷惑と思うだろうし、やらされ感で学んだ研修がどの程度現場で活かされ、認知症の方々の安心につながるかは、全くもって期待できない状況です(主体的に取り組む企業がいたら、それは本当に素晴らしいと思うし、効果は絶大に出ると思います)。

 

 

 

 

結局一番大切なことは、ハード面ではなく『地域の人間関係構築』なんです。

 

ハード面も効果はあるでしょうが、同時に行うことは、認知症への正しい理解と、円滑な人間関係構築に創意工夫をすることが大切なんじゃないかと思うわけで。

 

認知症の方に限らず、『いかに個人(他者)を尊重し大切にできるか』なんです。

 

もうホント、政府や行政の縦割り思考を現場に持ち込み、話をややこしくすることをやめてほしい。

 

認知症当事者の方々の声を取り上げることはとても大切ですが、『大使』をつくるなら、認知症当事者ではなく、俯瞰的に認知症と社会の関係をみることができて、縦割りを取っ払い横断的に認知症を社会課題として捉えることのできる人に『大使』になっていただきたいです。

 

認知症の方々を一括りにしてはいけない。

 

 

 

 

こういう施策を出すことが、どれだけ認知症高齢者やその家族に対して、国民の反感を持たせるのかを、今一度考え直してほしいと思うと同時に、頼むから、住民が創意工夫して取り組んでいることだけは邪魔しないでほしいと願ってしまいました。

 

認知症対策(もう、この対策という表現も腹が立つ!)で一番に行うことは、“国民に認知症に対しての興味を持ってもらうための仕掛け”なんですよ。

 

しつこいですが、無理矢理強制したところで、社会が優しくなれるとは私は到底思えないのです。

 

 

 

 

と、朝からすごい勢いでガチャガチャこれを打っているのですが、それを横目で見た方と目が合い言われた一言。

 

な ん か ・ ・ ・ 締 め 切 り 近 い ん で す か ? 

 

あぁ、今週からパソコンを変えたのですが、キーボードを打ったときの音が異常に大きいことを忘れていました☆

 

そして、何の締め切りを想像しているのだろうと、妄想を膨らませてしまいました。


2019-06-20 07:23:00

訪問をありがとうございます。

 

昨日は健康マージャンの方々の明るい笑顔に元気をもらい、夕方からは月1回の事業所内勉強会と会議がありました。

 

あぁ、だんだんケアマネジメントから離れていっていることを実感する私。

 

とはいえ、これも自分で決めたことなので、私は私のできることに取り組みます☆

 

 

 

 

さて、私は普段からニュースをインターネットから取るようにしています。

 

これは時代の恩恵だと思うのですが、理由は2つあります。

 

一つは、新聞という媒体はある意味その会社ごとのフィルターがかかっているため、毎日読むことでそのマインドを刷り込まれてしまう心配があることです。

 

ほら、昔らですが、新聞を含めた媒体って政治屋さんの忖度が激しいですから。

 

一つの媒体をどうしても素直に読むことができないのは、私のあまのじゃくなところです。

 

 

 

 

で、もう一つの理由は『ニュース自体もさることながら、それ以上に国民の反応を確認したいから』というのがあります。

 

これは本当に重宝しているのですが、私自身が身を置いている場はある意味ノーマルではなく偏りのある社会だと感が手います。

 

で、世論というものを全体的に把握したいと考えた場合、様々なニュースに対してのコメントを読むことで、いわゆる世間一般の思考というものに触れることができるのです。

 

現在は、2つの媒体を主に活用していて、一つは日本で一番活用されているであろう『y●hoo!J●PAN』さん(これは1日1回程度しか観ませんが、ニュースというよりコメントを中心に読んでいます)。

 

そしてもう一つは、有料の経済ニュース。

 

こちらはビジネスメインで、様々な新聞や雑誌社の取り上げているニュースを掲載してます。

 

この何が有効かって、コメントされる方々がニュースソースをとても大切にしているので、ニュースの元となる資料のリンクや関連記事のリンク等を貼り付けてくれるのです。

 

そして、ニュースそのものを感情で賛否ジャッジするのではなく、ニュースの内容を補足したり訂正したりしてくれています。

 

私自身、2年以上活用をさせていただいていますが、とてもとても勉強させていただいています。

 

 

 

 

そんなわけで、できるだけ正確な知識を得るためのニュースと、いわゆる世間様の感情を把握するために、私はニュースはサイトで取っています。

 

そして毎度、点と点の情報をつないで、あーだこーだと頭の中で考えています。

 

もうすぐ多忙期に入るので、今が一番時間にゆとりがあるときですが、逆に細々したことが多くって、何だか気持ちが引き締まらない私ですが、昨日は今後の方向性と戦略を改めて自分自身にコミットすることができたので、これからは一直線に進んでいきたいと思います☆

 

皆さんは普段からどのようにニュースを取り込み活用していますか?


2019-06-19 07:24:00

訪問をありがとうございます。

 

昨日は、午後から子育て支援の勉強会に社団事務所をお貸ししました。

 

そして、夜は職能団体委員会の会議でした。

 

今日は、午後から健康マージャンの団体さんが事務所を使います。

 

 

 

 

さて、ここ2週間くらい、一人でイロイロモロモロ考えては、気持ちが上がったり凹んだり焦ったりしています。

 

どのくらいのアップダウンかというと、世界を飲み込んだと言われている、創世記や神話に出てくる『大洪水』くらいの揺れ幅です(ノアの方舟の大洪水)。

 

地域の方々と接し、その取り組みや背景の素晴らしさを知れば知るほど、感銘を受けると同時に焦りも生じています。

 

そして、その焦りの原因の一つは、国から出されるデータや、さまざまな検討会・審議会の議事録だということも、理解しています。

 

 

 

 

若い頃からデータ分析と未来予測ばかりしていた私は、次々と出される国からのデータと報告書で、今後の展開予測をしています。

 

で、どーーー考えても、地域活動推進のペースと、国の施策ペースと、世の中の変化のペースが合わないことに、たまらない焦りを感じています。

 

起業時は、ちょっとの焦りはありつつも、『まだ、今なら巻き返せる』と余裕を持っていましたが、2年前は『こりゃ、あと5年以内に地域資源とそれに伴う人材を増やさないとヤバイぞ』という焦りが生じ、ここ2週間は『あ、マジでヤバイかも…』という心境に陥っています。

 

『だったら、データを見なきゃ良いじゃん』と言われてしまえばそれまでですが、見てしまったものを見なかったことにできないのが私の性分で…。

 

嫌でも目に入るし、目に入ったら冷静に分析してしまうのです。

 

 

 

 

他人様にどう映るかはわかりませんが、私はこの性分が好きではありません。

 

…とそんなわけで、ここ数日、睡眠不足だった上に、昨夜は、またしても、とあるジレンマを感じるデータを見つけてしまい、憤りと焦りで眠れませんでした(今さら眠くなってきた…)。

 

過去や現実はシビアに見つめつつ、未来は明るく描きたいということを意識していましたが、この考えは見直した方が良いのか、未来を見直す時期に来たのかもしれません。

 

追記:10時半の段階で通常マインドに戻っております。ご心配をおかけしましたとともに、心配してくださった方がへ、ありがとうございます。私は私にできることに取り組みまーす☆


2019-06-18 07:28:00

訪問をありがとうございます。

 

昨日は、1日地域の子育て支援の団体さんに事務所を使用してもらったのですが、とてもかわいい七夕のフエルト作品を作っていました。

 

今回は障害児施設と乳児院に届けるそうです。

 

毎回思いますが、楽しんで活動を行ってる団体さんは、皆さんキラキラしています。

 

そういう方々と接することのできる私は、とても幸せだと思いました。

 

そして、夜は地域のケアマネ友達とサシ飲みで、近況報告から色々な話で盛り上がりました。

 

 

 

 

さて、今日は社会と人と行政の関係について書かせていただきます。

 

というのも、昨日取材をさせていただいた団体さんの地域と行政の考え方が、私とほぼ一緒だったんですよね。

 

以前から書かせていただいていますが、私は人の集団(共同体)を補完するのが行政だというように考えています。

 

今の世の中は「困ったら行政」という感覚が定番化しているようです。

 

でも本来は、「自助→互助→共助→公助」なんですよね。

 

まずは自分で頑張って、足りない部分を住民同士(お互いさま)で補って、それでも足りない部分を社会保険等制度で補って、それでも足りない部分を社会保障や行政が補う、という形が本来のある姿なんです。

 

だからまちづくりなども、どれだけ「自分事」として捉え、活動できるかがポイントになるわけで。

 

昨日取材をさせていただいた団体は、公園の緑化・美化活動を自治会(マンション住人)が主体的に行政と協働で行っているという事例でした。

 

 

 

 

話を聴くと、勉強することがたくさんあります。

 

詳細は、後日テープ起こしをした後に掲載させていただきますが、上手に自治会で役割分担を行い、また、主体性を引き出しながら、継続的に取り組むことができています。

 

で、色々な工夫があったのですが、一番の工夫は「開かれた場と強制しないこと」だそうで。

 

情報はオープンにして誰でも参加できる環境をつくり、活動する中で強制しないこと。

 

この2つを守りながら、楽しんで行うようです。

 

また、取材を受ける前は「とはいえ、この自治会だからできるんだろうな」という気持ちがありましたが、実は、覚悟を決めれば誰でもできる取り組みだということがわかりました。

 

 

 

 

まちづくりというと、とても大事な感じがしますが、実は住んでいるマンション単位から考えていくことが一番であること、そして、活動を通じて、労力以上の効果が得られることがよくわかりました。

 

それは、外観的な美化だけでなく、マンション内の人間関係構築と、治安の確保です。

 

これは、今の時代に望んでもなかなか手に入りにくいもので、これからの社会にとても重要なものだと私は思っています。

 

そして、こういう素敵な活動をサイトに掲載することの重要さを、改めて実感した私でした。

 

いやぁ、今回もたくさん勉強をさせていただきました!

 

今日中でなんとかテープ起こしをする予定なので、完成したときは、ぜひアップさせてください☆


2019-06-17 12:56:00

訪問をありがとうございます。

 

今日は午後の更新です。

 

一昨日から、金曜日に取材した4時間以上に及ぶ取材のテープ起こしと、サイトの掲載文章の作成をしていました。

 

もう、何というか、すごくすごく幸せな時間でした!!!

 

 

 

 

さて、今日は、その取材の中でのやり取りを一部掲載させていただきます。

 

取材については、事前に質問事項に書き込みをいただいた上で実施しました。

 

今回は、「江東区助け合い活動連絡会」の会長である、渡辺さんの記事を掲載させていただきます。

 

渡辺さんは、中学卒業後住み込みでの就労をしながら、夜間専門学校、短期大学に通い、54歳の時に大学進学、69歳で高校を卒業しているという、多彩な経験がある他、子育て支援を中心にまちづくり等にも積極的に参加をしています。

 

 

聴手:渡辺さんは、助け合い活動連絡会会長の他、町内会会長、子育て関係等を行っていますが、そもそもボランティアを始めたきっかけを教えてください。

 

渡辺:まぁ、両親の影響があると思います。私の両親は戦後、行商をしていたんですよ。そこについて行くことが多かったんですが、なべ底劇という時(昭和26年頃)に両親の事業が倒産して、私は中学卒業後小僧(住み込み就労)に入ったんです。お袋は縫物が得意だったから縫物の先生になったり、親父は町会の副会長をやったり老人会の会長をやっていたみたいで、行商の頃から地域の人と深く関わって生きてきたのが、私の原点だったのだと思います。

 

聴手:渡辺さんの活動のエネルギーというか、そのエネルギーは何なんだろうか?というのが一番の疑問だったのですけど。

 

渡辺:何だろう?自分でもよくわからないなぁ。ただ、人が喜んでくれること、ありがとうって私に言わなくてもいいんだけど、そういう気持ちを持ってくれることに対する喜びかなぁ~。

 

聴手:他人の喜びが自分の喜びにつながっている、ということですね。

 

渡辺:感謝をする…人様にまたはその感謝の気持ちを持ってもらうこと、その感謝の気持ちが大きい人ほどやっぱり幸せになっていくというものを、私は非常に感じているのよ。だから、その感謝の気持ちの無い人っていうのは、残念ながら人生も貧しい。80年…79年生きてきて(感じたこと)ですけど。

 

聴手:現在の活動はかなり広範囲に広がりましたけど、僕らがこの社会の中で生きていくということに関して、何が一番大切なんだろうか。例えば、今の日本では何でも白黒つけたがって全部色分けして物事判断するような社会になっちゃっているけれども、どういう社会が人間にとって幸せな社会なんだろうなぁ、ということをご説明いただけたらありがたいです。

 

渡辺:そんな難しいことを聞かれたって答えられないけど…感謝と喜び、かなぁ…。

 

聴手:さっき言った共生ですか?

 

渡辺:うん。私はそれに尽きると思うのね。

 

聴手:お互いさまね。

 

渡辺:だからしてやってあげているではなくて、やる方は『させていただく』という。で、やってもらった方は『ありがとうございます』ということ。そういうもので成り立っている社会というのは…それは本当に住みよい社会なんだろうなというふうに思うし、そういう風なことで子育てをしていったら、私はそれなりの子ども達は育つと思う。私にとってのテーマはやはり子育てなんだな。だからもう始めて15年・16年になるけど、毎朝出て行って(通学挨拶)をしていて。ついこの間までは立ってて『おはようございまーす』って言っていて、まぁ、それでも応えは返ってくるのだけれど、最近はしゃがんで…中腰になって『おはようございまーす』とやるの。そうすると返ってくる声の大きさと人数が3倍くらいになってくる。目線を下げるだけで(子ども自身が)『(自分に)言われているんだな』と思うし、それを見ている親も、今まで知らん顔していたのが『おはようございます』と言うようになる。また、にこっとしたり。今までむっとしていて『この人何やってるんだ』みたいな顔をしていたのが、今朝はじめてだよね、彼の中では『ありがとうございます』なのか何か行ったんだと思う。それは小学生のパパだけど、何十回と顔を合わせていた中で、向こうはやっていて私が気づいていなかっただけかもしれないけど、今日初めてそれが見えたの。それが非常に嬉しかったの。それは私が引き出したのかもしれない。

 

聴手:それはありますね。

 

渡辺:人のものを引き出すということは、自分が低くなることによって、向こうの善意というか喜びを引き出せるものなんだなぁ~、ということを感じて、その後に自転車事故にあったという…(笑)

 

(取材の日に、渡辺さんは自転車同士の事故にあいました)

 

聴手:中学卒業後住み込みで就労して、その後、障がい者支援を行い、カンボジアに行って子育てを始めて、さわやか財団につながり、町内会を担い、高齢者とも関わってきたのですね。だからこそ、初めから共生社会の視点で助け合い活動の取り組みを行うことができたのですね。

 

渡辺:そもそも社会というのは混然としているものなんだよ。生活が大変な人もあれば豊かな人もあれば、子どももいれば高齢者もいる。豊かだから幸せかって言うとそうでもないし、貧しいながらも幸せな人もいるし、貧しくて苦しい人もいる。それをどうやって地域でみんなが一歩でも住みよい地域にできるか。地域というのは結局人間関係なのよ。ハードの問題じゃあないのよ。

 

聴手:渡辺さんの考える地域は、モノで考えるでもなく、縦割りでもなく、結局は“色んな世代の人間関係なんだよね”っていうところに行きつくのですね。

 

渡辺:結局、江東区助け合い活動連絡会の中で取り組んでいる中で…今の状況、ここから一歩二歩進めるためにはどうしたら良いかということを考えた時に、“社会貢献大學”という発想が出て来たんだよね。だけど、これはお金もかかるし行政からいろんな面での支援を受けるためには、残念ながらまだまだそこまで行っていない。ノウハウや信頼も得られないし、それだけの人を集めるだけの人も揃っていない。半年くらい考えた結果、集めるための何かをしようと考えて出たのがグランドゴルフなんだよね。

 

聴手:なるほど。

 

渡辺:グランドゴルフを通じて人と人がつながる。そして健康になるし楽しいし仲間ができる。それが一歩先に行くと、小学校・中学校でも親子グランドゴルフを広げて、そこに経験者(高齢者)がお手伝いに行くことで地域がつながる。そこでコミュニケーション能力が高まるし、その後のステップとして、子ども達のおじいちゃん達を引っ張ってきてもらってどんどん輪を拡げていく人間関係を育てて、各町内会・自治会の活動についてみんなで助け合える関係をつくれたら良いと思うんだよね。そういう関係を重ねる中で、今度はそういう人たちが地域を支える新たな人材になっていくと思うんだよね。今は町会とか自治会とかどんどん下り坂だけど、それを支える人材になるし、もう一方で、社会貢献大學をつくる時に、こういう人に声をかけて『一緒に勉強しませんか?』と呼び掛けて、社会貢献大學での学びながらボランティアをやって、子育てとか高齢者とか障がい者とかまちづくりとかボランティアをする事によって、自分自身が感謝されることの喜びというもので生きがいを感じ、生きがいになっていくんだよね、ということを伝えていきたいと思うのです。

 

聴手:なるほど。江東区助け合い活動連絡会というのは、色んな世代が関わることで、縦割りではなく地域の力を上げていこうよ、ということを目指しているのですね。

 

渡辺:そうそう。


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