インフォメーション

2016-09-24 18:07:00

訪問をありがとうございます。

 

今日は子ども達の授業参観の他、秋祭りのお手伝いに駆り出され、1日学校の行事に拘束されていました。

 

皆さんはどんな1日を過ごしましたか?

 

 

 

さて。

 

これからしばらくの間、介護保険の役割と意義等について考えてみたいと思います。

 

介護保険が始まる前(措置時代)から、この仕事に就いている人って、今はかなり減っていると思います。

 

私の周りでも、介護保険施行以降にこの業界に入ってきた方が大半です。

 

そういう意味でも、改めて原点回帰をしたいと思いました。

 

そして、介護保険が本来の意義や役割からどうして外れてしまったのか?どうしたらそれを修正できるのかについて考えてみたいと思います。

 

 

 

そもそも介護保険ができたのは、女性の社会進出・核家族化等により、高齢者を介護する人がいない為、『社会的入院』という方法で高齢者が医療機関で入院生活を送るために、医療費が圧迫されていたことが原因です。

 

様々なことを言われていますが、介護保険創設のきっかけは、『医療費の削減』が目的であり、『(本人や家族のみに任せるのではなく)高齢者の介護を社会全体で支えましょう』がスタートとなっています。

 

そして、介護保険の創設にあたっては、『自立支援』『利用者本位(選択権)』『応益負担』という3つが特徴となって始まりました。

 

 

 

以上の流れで始まった介護保険ですが、そのスタートで大きな間違いを3つしてしまっていると私は考えています。

 

 

 

一つ目は、いつも書いていますが、私は介護保険の最大の失敗は、『支援』を『サービス』と表記したことだと考えています。

 

サービスという『提供しますよ』ということを全面的に出し、利用者をお客様扱いしてしまったことが、権利意識ばかりを持たせてしまい、介護保険法の4条『国民の義務と努力』に対しての意識を奪ってしまったのだと考えています。

 

言葉というものは面白いもので、『支援を受ける』というとネガティブなイメージがあり、『できるだけお世話になりたくない』という気持ちを抱かせますが、その言葉を『サービス』というだけで、グッと敷居が低くなります。

 

その敷居の低さが、利用者に支援を受けることの抵抗感をなくし、ともすれば『権利があるのだから使わなきゃ損』という感覚を生む人も出てきてしまったのだと、私は考えています。

 

また、支援者の側も『サービス』という言葉に惑わされ、自立の視点を持つことなく、痒いところに手が届く支援を、『良かれと思って』提供してしまった。

 

そうなると、なんというか、まぁ、人って楽な方向に流されやすいですからね・・・(以下自粛)。

 

 

 

二つ目は、『自立支援』の定義や教育があいまいなまま、始まってしまったことです。

 

今ですら、『その人らしさ』を教育する場が増えていますが、介護保険創設当初は『利用者の(ネガティブな)課題』に注目して、課題分析を行うという視点が主流でした。

 

利用者の困りごとを、介護保険で解決しましょう、という考え方です。

 

制度の途中で、『自立支援』が『その人らしさの追求』となり、ポジティブな面に目を向けましょう、と変わりましたが、人って、一度覚えたものを変えるって、中々出来るものではありません。

 

制度の途中で『2表の課題は、【〜できない】ではなく、【〜したい】と表記するのが良い』となった時、ケアマネジャーの大半は、文言のみ変えてはいるものの、利用者の課題を捉える視点を変えることはできませんでした(だから課題がへんてこりんな文章になっているのです)。

 

ちなみに、未だに自立支援という言葉の明確な定義はありません。

 

唯一あるのは、東京都が平成21年だか24年に出した文言のみです(それも狭義な場での定義となる為、正式には認められていないんですね)

 

これ、本当に根深い問題になっていると、私は思います。

 

なぜなら、新人のケアマネジャーが教えを請うのは、先輩ケアマネジャーからですから。

 

つまり、新しく入ってきたケアマネは、就業前に自立支援の本質を学び、『その人らしさ』等について学ぶものの、実務に就くと、ネガティブな視点を磨くよう、先輩ケアマネに(無意識に)教育されているのです。

 

 

 

3つ目は、『居宅介護支援事業所を単独の事業所にしなかったこと』です。

 

これは、とてもとても大きなミスだったと私は考えています。

 

とはいえ、別に併設の居宅のケアマネジャーが悪いとか、単独だから良いというものではありません。

 

むしろ、私は併設居宅を認可したことによる最大の被害者は、利用者とケアマネジャー自身だと考えています。

 

介護保険が始まった時、株式会社等民間の参入も許可したことは悪くないのです。

 

サ  ー  ビ  ス  事  業  所  に  限  定  し  て  い  れ  ば  。

 

悩ましいのは、『介護を知らない事業主が、株式会社の思想をケアマネジャーにも要求したこと』なのです。

 

ケアマネジャーは、みなし公務員です。

 

利用者の視点に立ち、公正中立な立場を保持しなければならないのです。

 

一方で、併設事業者の事業主(これは特養なども含まれます。むしろ、最近は特養の方がいやらしいとも私は考えています)は、ケアマネジャーに『サービスを取ってくる営業マン』としての役割を要求してきます。

 

これにより、専門職として倫理観を教育され、現場では併設事業主の役割を要求される。

 

ケアマネジャーって、真面目な人が多いと、私はみています。

 

このジレンマでどのくらいのケアマネジャーが悩んだことでしょう。

 

どのくらいのケアマネジャーが、その挙句にドロップアウトしたことでしょう。

 

このことに関しては、たくさんの仲間を失った為、私はとても怒りを感じています。

 

そして、こういうことが、これ以上起きてほしくないと思う為、紡ぐ会のお手伝いをしたり、地域で勉強会を開催しています。

 

 

 

なんだか、書いていると長くなってしまったことに気づいたので、続きはまた次回、書かせていただきます。

 

皆さんは、介護保険制度についてどう捉えていますか?


2016-09-23 09:51:00

本日は連続でサイトを更新してしまいます。

 

今回の話題はタイトルの通りですが、『本当に考えなければならないのは、2042年の高齢者人口がピークを迎える時期までにどうするか?』ということです。

 

 

 

前回の介護保険改定で、地域包括ケア推進についてがまとまりました。

 

それを踏まえて、今回の介護保険は『いかに給付を抑制するか?』が検討課題になります。

 

とはいえ、やみくもに抑制すればいいとかそういう乱暴な話ではなく、『なんでも困ったら社会保障に頼るのではなく、自分たちでできることを見直そうよ』ということを、再度、考える必要があるのではないかと、私は受け取っています。

 

 

 

変化を受け入れるって、勇気もいるし、それに対して労力や責任も変わります。

 

できれば、今のままで継続してほしい。

 

その気持ちは、現場で働いている私自身も十分感じていますが、今後の人口推移・財源を考えた時に、一概になんでもかんでも反対を唱えるのはどうかと思うわけで。

 

また、現在でいうと、要介護1・2の方に対しての訪問介護の生活援助・福祉用具についての自己負担見直しが議論されていますが、これ、もし反対が多く、時期改定に実現しなかった時に財務省は何と言っているか、ご存知な方はどのくらいいるのでしょうか?

 

『上記(生活援助及び福祉用具の見直し)がなされない場合は、介護報酬の削減をおこなうこと』と提言しています。

 

結局、ここから読み取れることは、『いずれにしても数字は減らすからね』ということです。

 

そういうことも全て理解したうえで、それでも反対しますか?、という話なのです。

 

 

 

これらの改定をみていていつも感じることですが、大切なことは、社会保障だから以上、必要な人がその保障を享受できる仕組みでないといけない。

 

そして、制度として成り立っている以上、継続性は担保しないといけない。

 

高福祉・高負担が良いのか?

 

低福祉・低負担が良いのか?

 

高福祉・低負担の選択肢はないよ、ということです。

 

だからこそ、介護保険法第4条の『国民の義務と努力』を理解し、何でも社会保障で補うのではなく、自分たちでできること・支え合えることを、再度、見直すことなのではないかと、私は思うわけで。

 

 

 

そういうことを、世の中の国民に伝えること、批判ではなく『将来はこうなるよ。だから今、考えなくちゃいけないんだよ』ということを、国民伝え、一人ひとりが自分事として捉えることのできる機会を、つくってほしいと思います。

 

ちなみに、2042年とは団塊ジュニアが高齢者に突入する時期です。

 

バブル崩壊の影響もあり、様々な雇用形態で働いてきた方がいるでしょう。

 

結婚率が低下しており、おひとり様のかたも、今より多いでしょう。

 

それら全ての今後を含めて、どうしていったらよいか、真剣に考える時期に来ていると、私は思います。

 

 

 

最後に、国のお金の遣い方が違うとか、政治家がしっかりしないからイカンとか、官僚の見通しの甘さを批判する方もおられるかもしれませんが、そういう議論のすり替えは、意味を成しません。

 

官僚からすれば『あんた達サービス事業者が、モラルなく湯水のようにサービスを使わせたからでしょ』ということになりますから。

 

皆さんは、この辺りについても、どのように考えますか?


2016-09-23 07:49:00

訪問をありがとうございます。

 

今日も雨の1日となってしまいましたね。

 

気持ちだけでも明るく過ごしましょう。

 

 

 

さて。

 

昨日は、自治会長さんに説明するために、厚労省の資料を中心に、今後の社会がどうなるか?そのために何が必要かということを、根拠を持って拡散していただくため、70ページほどの資料を印刷した、と書きました。

 

私が自分で変わっているなぁ〜と思うことは、私、厚労省の出した資料を始め、様々なデータを基に現状を分析し、今後を予測することが大好きなのです(変っていますかね?)。

 

逆に言うと、感覚で話をすることが好きではないのです。

 

ちなみにお気に入りは、厚生労働省のPDF資料と、三菱総合研究所の資料です。

 

この2つがなぜ好きかというと、『結論ありきのデータを作成しているから』です。

 

本来であれば、現状に忠実なデータに基づいた資料が良し、とされるのでしょうが、私は今後の制度を決めていく、厚労省らがゴールありきでつくった資料の方が、『どういう方向に行きたいのか?』が透けて見えるため、好きなのです。

 

あ、嫌味ではないですよ。

 

ネットにはたくさんの意見・情報がありますが、きちんとデータに基づいてそれらが出されていない場合は、私の中ではただの感想として受け取ることにしています。

 

 

 

というわけで、厚労省の資料を眺めていたのですが、その中で、今回(平成27年)と前回(平成25年)の資料とで違いが数ヶ所ありました。

 

一つは、保険料の推移が、平成25年時点では、現状しか記載していないことに対して、平成27年の資料では、2025年まで記載されているということ。

 

また、認知症高齢者の人数予測が大幅に増加修正されていました。

 

今でこそ、認知症高齢者は2025年に約700万人(20%)とされていますが、平成25年に出している同様の資料では470万人(12.8%)とされていました。

 

ということは、認知症高齢者については、潜在的今後も数字が書き換えられる可能性は高い、ということです。

 

人口推移については、2042年が高齢者数のピークを迎えるという部分は変わっていませんでした。

 

 

 

あぁ、この話を書き出すと、止まらなくなってしまいます。

 

大幅に道が逸れましたが、何が言いたいかというと、今後、介護保険に限らず、社会保障の制度改革については、様々なメディアで取り上げられることとなることは必須です。

 

その時に、ご利用者・ご家族の方々は不安が増大すると思うのです。

 

そういうことを踏まえると、ケアマネジャーは、今後の社会保障のあり方について動向を見ていく、把握し理解する力って、必要だと思うのですよね。

 

 

 

なぜ、ケアプランの1割負担の意見が出たのか?

 

それに対しての賛成意見・反対意見。

 

なぜ、軽度者の生活援助と福祉用具の一部保険外扱いの意見が出たのか?

 

それに対しての賛成意見・反対意見。

 

(ちなみに、財務省ではこれが叶わなければ、大幅な給付削減を提言しています)

 

 

 

現場にいる私たちが、『今、介護保険では何が議論されているのか?』をご利用者・ご家族に正しく伝えることって、私は大切だと考えています。

 

不安を与えるのではなく『正しく』です。

 

それが、国民を巻き込んだ議論に発展していくのではないかなぁ〜、なんて考えています。

 

 

 

平成30年には、医療と介護の大改定が行われます。

 

皆さんは、今後の改定に対して、アンテナを高く持っていますか?


2016-09-22 20:21:00

訪問をありがとうございます。

 

今週2回目の祝日でしたね。

 

残念な天気となってしまいましたが、皆さんはいかがお過ごしでしたか?

 

 

 

さて。

 

今朝は、住民支え合いの会の世話人の方から連絡を受けました。

 

内容は、『昨日の新聞で、ケアプランの有料化と書いてあったのだけど、そのことについてレクチャーしてほしい。ついでに介護保険のことも知りたい』ということでした。

 

もちろん、喜んでお引き受けさせていただきました。

 

夕方に来社いただき、90分(長かったかしら?)話をさせていただいたのですが、私はこの方を本当に尊敬しています。

 

主体性はもちろんですが、今後の社会を見据えて『今何をすることが良いのか?』を考え、自ら足を運んで情報を得、自身で考え活動すると同時に、行政や関係各所に提言までしているのです。

 

この方、76歳になられたとのこと。

 

とても穏やかで、ご自身のわからないことは素直に問う力を持っており、さらに知識を上げるために年齢を言い訳にせずに努力する。

 

学ぶべきところの多い方です。

 

 

 

聞かれていたケアプランの有料化はもちろんのこと、介護保険の説明もさせていただきましたが、話題は、やはり、地域支援事業の方向に。

 

私自身、その方とお会いする時に、地域支援事業の話になるなと感じたため、厚生労働省の資料を中心に70ページ程度、社会の流れと課題・今後の方向性についてグラフ等を用いて説明してある資料を印刷しておきました(後は区のパンフレットも)。

 

念のため、全てのページにマーカーや赤字で重要点を示し、『このページで言いたいことはここ』ということが、一目見てわかるようにはしましたが。

 

説明の中で、さすがに数値化された資料をご覧になると『こんなに大変な状況なんだね』と驚かれていました。

 

 

 

区のパンフレットを用いて説明した時は、『いやぁ、私自身自治会長をしているから、うちにもこの資料はたくさんあるけど、読み方がわからなかったんだよ』と仰っていました。

 

私の拙い説明でご理解いただけたことが、なによりでした。

 

そして、現在の地域の課題について教えてもらいました。

 

 

 

自治会長さんが感じる地域の課題。

 

これは、私たち専門職と同じかもしれません。

 

『地域の住民が、なかなかもって自分ごととして地域をどうしていこうかと、考えたり取り組んだりしてもらえない』ということです。

 

一部の主体性がある人間が頑張るが、その比重に偏りがありすぎること。

 

提案を出しても反対されてしまうこと。

 

この自治会長さんは人徳者なため、『私は彼らを責めているのではないのです。これが現状だということなのです』と話しておられました。

 

後は、行政や社協の話をしましたが、こちらはオフレコにさせていただきます。

 

 

 

当事者意識を持ってもらうこと。

 

これは、どの団体にとっても悩ましき課題です。

 

一部の人間は、なにも好んで活動を行っているわけではありません。

 

これからの社会を考え、今から動かないと大変だと『気づいてしまったから』動いているのだと思います。

 

 

 

という話を自治会長さんが帰られた後、職員のOさんに話したところ、『今の人達は、人が生まれてから死ぬまでの過程を見る機会がないから、わかったつもりでいても腑に落ちてないのかもしれませんねぇ』という返答を受けました。

 

リアルに想像ができないから自分ごととして入ってこないのでは?というのが、彼女の持論です。

 

『結局のところ、今、自分が困っていなければ、それは、どんなに周囲が必要・大切と言っても、優先順位としては低いんですよ』とのこと。

 

『まぁ、今の日本は、アリとキリギリスで言うところのキリギリスが得をする社会になっているからおかしいんですけどね』と、本当にわかりやすく、きっぱりと結論を示してくれました。

 

 

 

Oさんとは、よくこういう話をしますが、彼女の客観的視点には、いつも気づきをいただいています。

 

その後、1時間半ほど、ご利用者とその家族の話を織り交ぜながら、『自分ごととして捉えるためには、どういう働きかけが必要か?』や『個別性を踏まえた上で、各家庭事の距離感を図って支援することの大切さ』などを話しました。

 

今日は、社内会議もあったので、合計2時間半程度、彼女は私には付き合ってくれました(ありがたや!)。

 

 

 

倫理的な話になってしまうので、今日はこれから帰って、ゆっくり整理しながら考えてみたいと思います。

 

皆さんは当事者意識について、どうお考えですか?


2016-09-22 09:11:00

訪問をありがとうございます。

 

昨夜は、紡ぐ会の1周年記念でした。

 

遠方からご参加いただいた方々には、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

私自身、この会でできることはお手伝い程度ですが、少しでも働くケアマネジャー一人ひとりが、やりがいを持って仕事に就けるお手伝いをしたいと思います。

 

 

 

さて。

 

今日は、自戒を込めての記事を書きます。

 

これから、地域包括ケアシステムという名の下に、様々な取り組みが思案され、実行されると思います。

 

その際に、『決して主役を置き去りにして、物事を進めない』ということに気をつけたいと思いました。

 

自分自身が熱い想いを持つのは良いのですが、ともすれば、相手にそれを強要したり、押し付けてしまう傾向があるかもしれない、と、私自身は感じています。

 

『(私は)そんなつもりじゃなかった』と言いながら、無意識にでも相手を追い詰めることだけはしないように気をつけなければ・・・と感じました。

 

この距離感をみながら、進めていきたいです。

 

そんなことを、昨夜はぼんやりと考えていました。

 

 

 

住民の多くは、『健康維持』を希望しています。

 

これが実現するように、どうしたら良いのかを、専門職の立場で考えて、提案し、彼らの決めた方向性に対して、できる限りの協力をしていく、ということが、大切ですよね。

 

今月末には、住民支え合いの会があります。

 

決して突っ走ることなく、住民の声をよく聞いて、協力できる部分があれば、提案していこうと思います。

 

 

 

地域包括ケアシステム。

 

色々と考えさせてくれるシステムだなぁ、なんて思いました。

 

皆さんは、どんな社会なら、住みやすいと感じることができますか?


1 2 3 4 5