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2016-05-24 22:07:00

訪問をありがとうございます。

 

今夜は紡ぐ会でのサミットがありました。

 

今回は、『みんなで考える!ご利用者との信頼関係作り』というテーマで、グループワークをしていただきました。

 

この会の良いなぁ~、と思うところは、参加者の方々が主体的にワークに取り組んでいるところです。

 

いやぁ、主体的な方々の姿をみていると、元気をもらえます。

 

 

 

さて、今日は、ケアプランの有料化につい考えてみたいと思います。

 

と言っても、昨年9月に別のサイトで書いた、ケアプラン有料化についての内容を転記するだけですが☆


 
LinkIcon居宅介護支援費の利用者負担導入に反対する署名活動について(緊急依頼)
 

 

日本介護支援専門員協会が、ケアプラン有料化の反対署名を行うと表明したことを受けて、昔書いた記事を引っ張り出してみました。

 

因みに私は、現段階でのケアプランの有料化には反対です。

 

皆さんはいかがですか?

 

これを機会に、ケアマネジメントというものを改めて考え、それぞれ、ケアプランの有料化について賛否を持っていただけたらと思います。

 

 

 

↓     ↓     ↓     転記内容     ↓     ↓     ↓

 

最近の社会保障に対しての記事を読む度に、介護保険制度本来の趣旨から外れているような気がしてならない。

 

そして、遂にその根底を揺るがす記事まで公に出たことに驚いた。


7日の日経新聞に『ケアプランの有料化』について厚労省が検討という記事が出たのだ。


そしてそして、その理由が『400億円の削減を図りたいから』だというから、笑ってしまった。

 

 


違うだろう。

 

いわゆる『水際作戦』のごとく、窓口相談にお金をかけることで保険の利用自体を減らすことが目的だとしか思えないのである。

 

費用対効果を考えれば、ケアマネを確実に置く形をとり、適正化を徹底した方が、余程給付の抑制に繋がる。

 

今回の記事は、介護保険の入り口であるケアマネジメントに負担を強いるということの危険性を、十分に理解しての記事なのだろうか?

 

 

 

【ケアプランの有料化に反対】

 

ケアプランの10割を保険にて給付する根拠については、厚生労働省の解釈通知に明記されている。

 

『第2 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準』


1 基本方針


介護保険制度においては、要介護者である利用者に対し、個々の解決すべき課題、その心身の状況や置かれている環境等に応じて保健・医療・福祉にわたる指定居宅サ ービス等が、多様なサービス提供主体により総合的かつ効率的に提供されるよう、居宅介護支援を保険給付の対象として位置づけたものであり、その重要性に鑑み、保険給付率についても特に10割としているところである。

 

 

 

ケアマネは、ただ単にプランだけ作っていれば良い存在ではない。

 

その前段階として、課題分析をしている。

 

アセスメントをしながら、利用者や家族の強さや意欲を引き出している。

 

その上で、利用者や家族に必要な情報を提供し選択していただいているのである。

 

その介護保険の基本である『自立支援』の知識を国民に周知徹底させることなく、『相談援助にお金を取ります。お金を払うのが嫌なら、セルフプランもありますよ』とだけ流すのは、いかがなものであろうか?

 

料金を払う利用者ないし家族は、権利の主張を始め、自立ではなく『自分にとって都合よくサービスを立てるケアマネ』を良しとする人も出てくるだろう。

 

 

 

また、『選ばれるという感覚がケアマネの質を上げる』という意見もあるようだが、それは何の根拠もない詭弁である。

 

大前提となる『居宅介護支援事業所の評価表』が無いではないか(情報の公表は参考データにはならない)。

 

評価の基準も解らず、自立支援の概念も十分に理解されていない利用者や家族が、どうやって『質の高いケアマネ』を理解し、探すというのか?

 

 



他、『応益負担だから』と1割ないし2割の負担を利用者に課した場合、2通りの理由でセルフプランにする人が出てくる恐れがある。

 

一つは『自分の思い通りのサービスを利用したいからセルフプランにする方』。

 

これは、サービス事業所が大変である。

 

苦情・要望がダイレクトにくる。

 

間に入って、うまくまとめてくれる人がいないのである。

 

現場は疲弊し、ヘタすりゃ退職者続出になるだろう。

 

それに、情報の共有化もできなくなる恐れがある。

 

人は基本的に、自分たちに都合の悪い話はしないだろうから、現状を包括的に見ることのできる人はいなくなり、皆が点での関わりしか持てなくなる。

 

事業所同士・他職種連携は誰がイニシアチブを取るのだろう?

 

 

 

そしてもう一つは、より深刻な問題をはらんでいる。

 

『お金がなくてケアマネを頼めない方』。

 

介護保険制度だけでなく、医療・障害の知識も、インフォーマル支援に関する知識もないままで『サービスを使いたければ、ケアプランを自分で立てなさい』と言われるわけである。

 

まるで、泳げない人に『海を渡って隣の島に行きなさい言っているようなものである。

 

単独世帯・高齢者世帯が増えている中で、放り出された方々は、どうやって情報を入手し、選択すれば良いというのか?

 

むしろ、孤独死や介護を苦にした心中が増えるのではないか?

 

そのくらい、情報弱者を追い詰めることになるのではないかと考えてしまう。

 

 

 

そして、ここからは空想の話。

 

これは一つの可能性だが、こういった高齢者を相手に、商売する人が出てくると私は懸念している。

 

『あなたが介護保険のサービスを受けられるよう、ケアプランの代行をしますよ』と、甘い言葉をかけ、囲い込みをする事業所の登場である。

 

敢えてセルフプランにさせて、必要な課題分析も情報提供もせずに、ひたすら自社を利用させるプランを立てるのである。

 

ところが行政も馬鹿じゃない。

 

その辺りのリスクは予め予測し、過度な支援を提供する事業所には『厳しい実地指導』を喰らわせて、返金を求める。

 

そうなると、タダ働きになる上、多額の負債を抱えて、倒産する事業所も出るだろう(それはそれとして良い気もするが)。

 

 

 

大変なのは、真面目に運営しているのに、とばっちりを受ける事業所である。

 

結果、『セルフプランの利用者はリスクが大きい』と、受け入れを拒否するサービス事業所も出てくるかもしれない。

 

そこまで来ると、もはや『社会保障』ではない。

 

長々と書いたが、このような理由で、現段階でのケアプラン有料化には私は反対であり、もし現在のケアマネジメントを否定し、利用料導入・セルフプランを推進したいのであれば、下記事項を整備してから、議論して欲しいと。

 

 

 

1)国営放送(NHK)を利用して、介護・医療・障害の制度知識を国民に周知徹底させる。

 

同時に保険者は、住民にインフォーマル支援の周知徹底をする。

 

→ホームページに記載したり、チラシを配布するレベルではなく、住民の集いに自ら足を運び、説明して廻るのてある。

 

 

 

2)保険者はケアマネジメントを正しく理解し、適正なケアプランチェックをできる体制を確立する。

 

→現在の指導レベルの日付の整合性や文言に拘るのではなく、『自立支援が出来ているか?』の視点で、指導できる職員を確保・整備する。

 

→包括に丸投げはだめ。公務員が責任を持って行う。

 

 

 

3)セルフプランを作るためのサポート体制を確立する。

 

→うまくセルフプランが立てられない方に、専門家が訪問等によりサポートする体制を確立する。

 

 

 

4)誰もがわかりやすいと思える情報ツールを確立する。

 

→ここに行けば、必要な情報は一発でわかるという仕組みを保険者単位で構築す・確立する。

 

 

 

体制を整えずに、目先の抑制にばかりとらわれると、大切な何かが抜け落ちて、結果、とんでもない状態に陥ると思うのである。

 

そしてその時に被害を被るのは、利用者なのである。

 

 

 

介護保険は、制度の継続が目的ではない。

 

人のために制度があるのだ。

 

私たちは、そのことを忘れてはいけないと、改めて感じた。

 

 

 

この日経の記事掲載の目的は世論の反応を見ていると思う。

 

だからこそ、一人ひとりが今後の介護保険について考え、行動を行さないと、本当に有料化の議論が始まってしまう。

 

 

 

【追記】

 

もし、ケアプランの有料化となった場合。

 

行政は『委託』という形で、居宅介護支援事業所に従来の2分の1から3分の2程度の料金で、サポートをさせるだろうと、私は踏んでいる。

 

『単価は委託の名をつけることで削減でき』且つ、『質の担保は今までの指導で行えているから安心』。

 

平成30年度にはケアマネジャーの指定を含む一部の権限を保険者に譲渡するので、保険者の采配力はますます強くなる。

 

 

 

そうなった時、ケアマネジャーは『仕方がないなぁ』と協力するのか?

 

ケアマネジャーの役割は何ぞや?