clairの想い...その2
初めて作成したHPに記載した その当時の想いです。
よろしければご覧ください。
人生の岐路
当時、私は人生の複雑な岐路に立ち、大きな決断をしたばかりということもあり、何よりも自分自身の居場所を見つけたかった!そんな傷心の時期にありました。
それでも、その大きな決断をしたことにより、思い半ばで果たせなかったことを形にすることが自分の今後の人生の課題だと思い、再度自分の想いを込めたレストランを始めたいという気持ちになりました……。
偶然、ここ大平台という、空が明るくとても広く見えたこの場所と出会ったことをきっかけに、自分の居場所が見つかったような思いを強く感じたのを今でも鮮明に覚えています。
そしてたまたま訪れたバリ島で、心を癒してくれるリゾートホテルのフレンチレストランと出会ったのもちょうどその頃のことでした。
広く、優しく、温かく、自分のすべてを受け止めてもらえたような、そんな独特な空間。その経験が強く心に残り、レストラン作りの思いへと……。
もちろん、そんな壮大な空間を私一人で形にするなど、到底できるわけがなかったのですが、せめて感じた気持ちだけ……心だけは……そうありたいと思うようになり……。
さらに賄い上手の田島シェフとの思いがけない再会に背中を押され、そして過去へのほんの少しの意地も手伝いとにかく夢中でレストラン作りをスタートさせることに……。
でも身内はまだ気持ちの落ち着かない私の想いに大反対!家族としては当たり前だったとは思いますが、そこから泣いたり、怒ったり、喜んだりの大忙し。新たな葛藤の日々のなかで諦めかけたこともありましたが、それでも自分の使命のように何かに突き動かされ、厳しさも現実もあえてすべて背負うことに…(あのパワーは一体どこから???今思うと人生の不思議な魔法にかかったようなそんな瞬間でもありました。)
未だに感謝をお返しすることがまだまだ出来ずにいますが、その時お力添えくださった方やお知恵をくださった方々との出会いは一歩、一歩、そして前へ……クレルへの道が少しずつ繋がっていきカタチになっていきました。
店名の由来
店名を決める時も、当時の自分に必要な言葉を膨大な単語が並ぶフランス語の辞書の中から探し出そうと気持ちだけはいっぱいいっぱいに…。その中から見つけた2つの言葉「clair」と「reveiller」。
本来フランス語的には成り立たないこの2つの単語をあえて一緒にしたのは、その時の私の気持ちにいちばん近い言葉だと思ったから……。"失った自分らしさを取り戻す、再起させる"……そんな願いを自分自身に込めたのかもしれません。
その時は自分の気持ちを優先させてしまいましたが、でも考えてみれば、それは誰もが皆抱えていることなのかもしれません。生きていくことの難しさだったり、つらさだったり……。そして時には優しさや笑顔すら見失ってしまうことも……。
心の奥底の深い思いまではうかがい知ることはできなくても、せめて「優しさと美味しさ」を融合させることで、何かお役に立てることがあるのではないか。クレルレヴェイエなりの表現で、心の元気を失くしてしまった人に、何かを感じていただくことができるのではないか……と。
クレルのコンセプト
店名の意味の捉え方を再度考え、ちょっと付け加えすぎ感はあるかもしれませんが「明るく楽しく清らかで素直な心を取り戻せる優しい空間」とあらためて意識しなおし、お店の想いとしてお客様と一緒に感じるコンセプトにできたらと思うようになりました……。
飲食の業界に対し深い学びはなかったものの、そのコンセプトを大切に料理に関してはフランス料理出身の田島シェフの考えを尊重し全てを一任。その他は私なりに専門料理分野での決まりごとやタブーをあまり気にせずインテリアも食器もファブリックも心地よいと思うものを集めお客様と共有出来るようなそんなお店作りに…
あれからずいぶん月日がたち、さまざまな気持ちの変化を経験しましたが、今では当時のような重苦しさはありません。私自身、ここに居場所ができたおかげで、穏やかで優しい気持ちになり、笑顔で日々を過ごせることをとても幸せに思っています。今はただただ、皆様に美味しく、楽しく過ごしていただける空間をご提供できることがなによりの喜びになっています。
今、そしてこれからのクレルのコンセプトとして、「優しさのヴェールに包まれた私の居場所は、温かな想いをさらに詰め込んで皆様の居心地のよい空間へ……そして居場所へ……」と、そんなふうに感じていただけたらと思っています。
そっとクレルの扉を開けてお入りください。
シェフのまっすぐな想いのこもった温かな料理が皆様をお迎えいたします。いつも変わらないクレルからのご来店のご挨拶と同時に「おかえりなさい」そして「マダムのお家(うち)へようこそ」が心の声として皆様に届く……そんなレストランになれたら幸いに思います。
クレルレヴェイエを通じて繋がる皆様の思いを大切に……これからもずっと……。
追伸…
「マダム」という言葉から連想されるようなタイプの人間ではないので何年経ってもそう呼ばれるのは少々気恥ずかしい想いはいたしておりますが、クレルの全てが分かるのは……そして答えを探せるのは私だけと思っていますのでクレルマダム=クレルコンシェルジュとしてClair reveillerと皆様の架け橋となり、なにより一番近い存在でありたいと思っています。
皆様にお会いできることを心よりお待ち申し上げております。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。