【コラム】覚悟と望みと獣医さんの言葉

【覚悟と望みと獣医さんの言葉】
きららが息を引き取る1時間ほど前、
私ときららは動物病院にいました。

その動物病院は、

・きららが15年前帝王切開で産まれた病院
・昨年9月にその病院の分院で熱中症の処置のため診察しても
らったことがある。

という病院でした。


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その病院に行ったのは、

『クララときららの誕生日まであと2日。
なんとか誕生日まではがんばって欲しい。』


という私の願い、というか『欲』からでした。


ここで、
病院に行ったまでの経緯を書かせてくださいね。


前兆は亡くなる前日からありました。

★1月3日朝
クララときららが朝ごはん食べない
きららはスープと心臓病の薬だけは飲めた。
母犬のハイジは朝からトイレの失敗の連続

夕方、
ハイジがまたトイレの失敗。
いつもは絶対に排尿しない場所。

その場所は、
先住犬アンデイが他界する3日前から、
亡くなって数日後まで失敗し続けた場所。


いや~~な予感がこの時、初めてしました。


★1月4日朝
きららはご飯も食べず、スープも飲まず。
前日からシリンジでハチミツを溶いたお湯を飲ませていましたが、
とても十分な量とは言えませんでした。


『(生きるために)脱水状態はなんとしても避けたい、
でも、経口摂取だけでも無理っぽい』


かかりつけ動物病院は4日まで休診


『どうする?』


きららは、僧房弁閉鎖不全症。
お薬でコントロールできていましたし、
心拍数も健康な犬と同じだったんです。

でも、初めて診察する獣医さんだと、
ビックリしちゃうくらい進行はしていました。

 
・診察はしなくていい、
・点滴だけしてほしい
しかも
・家の近くの動物病院


自分の都合ばっかりな迷惑な飼い主でした、私。


ダメもとでおそるおそる、電話をした動物病院が、
前述の病院でした。


事情を電話で伝え、点滴だけしてもらうことになりました。
急いでしたくしていると、きらら、

『ワン!』

と一吠えしました。
寝た状態でウ☆ビーが出たので、取って欲しかったみたいでした。
処理をし、おしりまわりをキレイにしていると、

『あれッ?まさかッ』

と思う光景が。


肛門の形が変わっていました。
アンデイの時もそうでした。
(↑詳しくは動物病院で聞いてくださいね)


もう一度きららのカラダを触るとまだ温かかったんです。

気持の中で、
『覚悟』と『望み』が、
この段階では『望み』の方が強く、


『やっぱり点滴してもらわなきゃ』


と、思い、動物病院へタクシーで向かいました。

中堅どころの獣医さんが待っていてくれました。
9月に分院で診察してもらっているので、
きららのカルテデータをその獣医さんは見ていてくれたようでした。

きららを触ると、

『冷たくなってますよ、すぐドライヤー!』

って看護士さんに指示してくれました。

『えッ!?家を出る時は温たかくて、なので連れてきたんです。えっ!?』


なんか、この時、

ハッと我に返った感じでした。


自分が生きていて欲しいって思っているから、
触っても低体温に感じなかったんですね。
アンデイの時は、
はっきりと低体温になっていると分かったのに。


獣医さんが聴診して、お腹をエコーでみて、
肛門も見てらっしゃいました。


そして、こうおっしゃいました。


『この子、心臓病のせいじゃない。
老衰です。
たぶん、今日くらいだと思います。
ここで呼吸が止まったら挿管しますか?』


私は、首を横に振りました。

『家に帰るまでなんとかもつようにお願いします。』

とお願いし、点滴をしてもらい、
その間、きららの傍を離れずすむように、
病院側も配慮してくださって、会計も先に済ませました。

点滴が終わってすぐにタクシーを呼んで帰りました。
それから40分後くらいに、きららの最期をハイジクララと見送りました。


獣医さんの老衰という言葉に、

・あきらめがついた

気がしました。

でもね、

私はあきらめがついたけど、
仕事とはいえ、獣医さんも大変と言うか、
あまりいい気持ちはしなかったでしょうね。

初めて会う飼い主、初めて診る犬に対して、
『老衰です』って言わなきゃいけないなんてね。

それは申し訳ないと思います。


でも、動物病院に行かなかったら、
行けばよかったのかなって後悔した思うし。

アンデイの時は17才だったから、
動物病院に行こうなんて思わなかった。

きららはまだ15才2日前だったので、
覚悟が望みを上回れませんでした。


点滴してもらった動物病院には、
きららが他界して30分後くらいにお礼の電話をしました。
泣きながらになってしまいましたけどね。

『覚悟』と一言で言っても、
ひと様は巻き込まない覚悟って本当に難しいんだな、
って改めて思いました。
この年齢になって、また学んだ気がします。

いつの日か、ハイジとクララにも同じような日が来ます。
その時には、
本当の覚悟をもった状態でいられようにしたいと思いました。

最後までお読みくださって、
ありがとうございました。