動きの基本とランニングフォームについて

 

ランニングフォームについて考えてみましょう。

よいランニングフォームを理解することは正しい動きの基礎を知ることです。

 

まずは下の動画のチーターの走りをみて動きを探ってみましょう。

 

 

 

非常にしなやかに背部の筋力を使って蹴りだしたあと、素早く腹部の筋力で

下肢をたたみ込んでいるのが分かります。

皆さんは走る際に股関節から下を意識してしまいがちですがそれではいけません。

 

 

 

 

 

 

 

近年よく耳にするようになった二軸歩行・走行についてです。

現在はどちらが正しいということはなく個々の身体特性に委ねられているようです。

比較的、腸の長い私たち日本人には古くからの歩行習慣も相まって二軸の概念が合うことが

多くみられます。

 

 

 

 

 

20年以上も前の1996アトランタ五輪・マイケルジョンソン400mの動画です。

当時は両立不可能と思われた200mと400m両種目で圧倒的な世界新記録を打ち出しました。

その直立した走行フォームは独特で理想的でないと言われましたが、その後次第に見直されることになります。

四足走行のチーターを思わせるように背筋群を使い骨盤を引き上げ、大腰筋群を使い素早く膝を引き上げる。

そのために上体は体軸をしっかり安定させ直立しブレないフォームです。

そしてこのフォームが短距離で通用したことに大きな意味がありました。

 

 

 

 

 

 

 

一軸でも二軸でもない多軸へ

 

古武術にみられるような日本古来の動き、

れは二軸を基にした地面に根を張ったようなどっしりとした太い体軸です。

骨盤特性や体質により二軸/一軸という個性はあっても

軸を太くすることでブレない体幹を作り上げることが共通の課題です。

 

 

 

 

 

 

 

先のドーハ世界陸上で10000mと1500m

という中・長距離両種目を制したオランダのハッサン選手のフォームです。

どちらも軸がしっかりしていて安定した多軸的なフォームです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体幹とは何か、一般的には四肢を省いた胴体部分を指す言葉ですが

体幹強くするとは胴体部および背骨を中心とした軸をしっかり作るため

身体深部にある姿勢を保つためのコアな筋群を刺激し鍛えることです。

 

 

 

 

最後に 走ることと歩くことの違いとは何かわかりますか?

”歩く”とは常にどちらかの足が地面に接地していること

そして”走る”こととは移動において体が宙に浮いている時間があることです。

 

では”速く走る”こととはどういうことでしょう。

 

それは宙に浮いている時間が長いこと = 接地時間が短いこと となります。

 

そして接地時間を短くするため

足が地面に接地した後、後方に蹴りすぎて足が後ろに流れないように意識します。

なぜなら蹴り足が後方に流れてしまうと相対的に肩がブレてしまうからです。

 

 

 

さらに下図に示すように走る際に大切なハムストリング筋群は膝が体の前方①・②

にあるうちは”B”もしくは”C”だけ伸張されているため収縮力が増し機能を果たしますが

接地点以降④・⑤ではあまり収縮機能を果たせず動きの効率が低下してしまうという点

も見逃せません。こういった諸々の身体の特性も理解していただけたらと思います。

 

 

これまで見てきたフォームの基本を踏まえれば 

背部の筋群と腹部の深部筋を連動させしなやかに全身を使い

 

着地における足の接地時間を少なくする

    ⇩

  蹴りの際に足が後方に流れない

    ⇩

   肩がブレず上体が安定する

 

このようなフォームを心掛けて動きづくりを見直していきます。