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議会質問&会派取組

2018-11-08 10:12:00

 

pdf 2018.11.01可児市・小牧市視察報告書.pdf (0.52MB)

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※今回の視察は、自由市民、公明党議員団と共同開催となりました。

 

報告1 岐阜県可児市「主権者教育」の取り組みについて

 

 実施日 平成30年11月1日

 

 

 

【1】初めに

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 平成30年11月1日午後1時40分頃、岐阜県可児市広見1-1可児市役所へ到着。

 

 可児市議会事務局長の田上元一氏のお出迎えを受け、可児市議会の澤野伸議長、伊藤壽副議長、山根一男議員より「主権者教育」についてご説明いただきました。

 

 ただし主題の「主権者教育」については全般的な議会改革の中での一部の取り組みであり、主には議会での取り組みを中心にご説明いただきました。

 

 冒頭議長のあいさつで2013年に空き家空き地対策条例の制定について貝塚市に視察へ来られた際のお礼も述べられました。

 

 

 

【2】可児市議会議会改革

 

 可児市では、「気づき」「ひらめき」「行動力」というキーワードを主軸に市議会としての取り組みが進められました。

 

 平成15年にスタートした議会活性化特別委員会からスタートした「議会改革」は市民に信頼される議会をめざして取り組まれています。

 

 その中で・・・

 

 ①大学との連携の取り組み

 

 目的は、議員の資質の向上を目指すために平成20年に取り組まれました。

 

 名城大学都市情報学部のゼミに議員11名が参加し大学生と共に学び専門的知見の活用につながったとのことです。

 

 ②議論の充実のための取り組み

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 質問を傍聴者にわかりやすくするために、「大項目ごとの一括質問、一括答弁方式、再質問から一問一答方式」にする方法と、「大項目ごとに一問一答」の方式と選択方式にしたとのことです。

 

 また、反問権や自由討論の取り組み、またモニターを用いてパソコンを活用した一般質問ができるようになりました。

 

 ③正副議長の立候補

 

 正副議長の選出を立候補制にしておりその立候補には所信表明を行い、前任者からの課題への取り組みの継続や発展等所信表明するとのことです

 

 4年毎の改選時のみならず、毎年の改選時にも引き継ぎ書を作成しその年で取り組まれた決算での提言を予算に反映させているかの点検などマニフェストに掲げるそうです。

 

 ④議会改革アンケートの実施

 

 平成23年2月には議会改革のための市民アンケートに取り組まれました。

 

 全議員の政務調査費を活用して議員が手作業で封入・郵送、集計、分析など行われたそうです

 

 調査結果は20歳以上2000名に送付し、回収は810件。回収率は40.6%でした。

 

 「市議会に関心がない36.7%」「議員の活動内容知らない64.2%」「市民の声が議会に反映されていると感じる6.4%」という結果でした。

 

 当時厳しい現状と議会改革を進める必要性を感じたとの事でした。

 

 そこから議会も様々な取り組みを行い、平成28年に第2回目の調査を行いました。

 

 その中で議会だよりを読んでいる人の中で「議会改革は進んでいる」と回答している市民31.4%と高い結果になりました。

 

 今後の議会に対しては「意見交換会の充実」「議員の資質の向上」が高くなっています。

 

 ⑤議会運営サイクル

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 4年毎に改選される議会。毎年変わる議会役員。そんな中でどう継続した取り組みができるのかが大切です。

 

 議長、常任委員会など継続課題を整備し、引継ぎをしっかり行う。正副議長の立候補にもつながるのですがこの引継ぎがしっかり続けられることにより継続した取り組みが可能となります。

 

 また予算決算サイクルでも、決算説明を受けたのち議員間での意見交換も含め理事者に「提言」という形で提案することにより理事者も取り組まざるを得ない状態を作るというものです。

 

 ⑥意見聴取・反映サイクル

 

 また、これららの意見や提言が反映されたのちは、春秋の議会報告会で市民の意見交換にかけられるという事になりました。

 

 さらに地域課題懇談会を随時開催や各種団体との懇談会を開催しよりよい市制となるよう進めています。

 

 ⑦若い世代との交流サイクル

 

 18歳投票を見越した取り組みとして、地元県立高校生へ模擬投票を行い始めました。

 

 二年に一度の取り組みで在学中に必ず1回以上は体験できる取り組みとのことです。

 

 ⑧政策提言・提案等の取り組み

 

 委員会からの付帯決議など自由討議を実施し決定されています。

 

 「子どもいじめ防止に関する条例」の付帯決議

 

 議員提案の「空き家等適正管理に関する条例」制定につながったそうです。

 

 

 

【3】議会での取り組み

 

 議会改革の議論を受けて主な取り組みは・・・・

 

 ①ママさん議会~建設中の駅前子育て拠点施設について~

 

 平成28年に子育て拠点施設について、子育て世代の女性の声を聞く機会を設けることの意見書を採択

 

 意見書を受けてママさん議会が開催されました。その中でたくさんの要望・知恵を頂き執行部へ提言され実現しました。

 

 ②議長職における引継ぎ事項

 

 平成27年に議会で「議会BCPの策定を検討すること」が決まり、翌28年議長へ引継ぎ、同年に策定され、翌29年にはBCPに基づく訓練を行う事を引継ぎ、同年に議会防災訓練が実施されました。

 

 この様な具体的な動きが議会改革で進んできているように思いいます。

 

 ③議会報告会の実施

 

 基本条例に基づく「議会報告会」春・秋に取り組まれています。

 

 市内11開所で開催し、全体報告ではなしに、参加者をいくつかのグループに分けて議員も必ず一人入るようにして「議会だより」を用いて説明するとのことです。

 

 その時のルールは・・・

 

 議員個人の意見や考えは言わない。

 

 統一した内容は文章を朗読する。

 

 というものです。ここまで徹底しないと「報告会」も成り立たないと感じました。

 

 ④地域課題懇談会

 

 ア)子ども議会

 

 平成30年子ども議会を企画

 

 147名を2班に分けて実施され、議会ってどんところ?議会体験してみよう!として取り組まれました。

 

 子ども達に財政難で廃止する事業を意見を出し合わせて取り組まれたそうです

 

 イ)キャリア教育支援開始ときっかけ

 

 高校が大人との赤悪機会と議会が求める若い世代の意見を聴取する機会を求めて居ることが一致し実現。

 

 その中で高校生議会を実現させ、その議論が地域課題懇談会実施会議の会議規則内に位置づけられるようになったとのことです。

 

 高校生の意見が議会へ反映されることになりました。

 

 ウ)地域課題懇談会

 

 地元医師会、金融協会、商工会議所等の協力で市議会主催で開催。

 

 エ)模擬選挙

 

 学校主催の模擬選挙に議会が協力。

 

 立候補説明会など本選挙と同様の手続きで選挙を行う

 

 マニフェストの検討も全員で行い誰に投票するのかも自分で決める

 

 開票作業も生徒達でおこないます。

 

 これらの経験が次年に開催された参議院選挙では18~19歳の全国平均46.78%、岐阜平均49.01%を上回り53.30%であったとのことでした。

 

 また新聞社が調査した結果、2校が模擬投票を行たのですが、1校は75.8%、もう1校は90.1%が投票したという結果でした。 

 

 オ)議員と語ろうをコンセプトに開催され50人から60人の参加。

 

 

 

【4】最後に

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 今後の取り組みとして・・・

 

 ①議員定数報酬の調査研究の継続

 

 ②地域課題懇談会の発展

 

 ③若い世代との条例づくり

 

 をめざして取り組んでいくことが報告され「議員の力が地域の未来を創る」というスローガンのもと進めていきたいと述べられました。

 

 

 

 

 

報告2 愛知県小牧市「地域ブランド推進事業」の取り組みについて

 

 実施日 平成30年11月2日

 

 

 

【1】初めに

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 平成30年11月2日午前9時45分頃愛知県小牧市堀の内3-1小牧市役所へ到着。小牧市議会議長の玉井宰氏の歓迎のご挨拶をいただいたのち、同市市長公室秘書政策か市政戦略係長の安藤誠氏より「地域ブランド推進事業」についてご説明いただきました。

 

 

 

 

【2】地域ブランド推進事業

 

 小牧市には、小牧山城、名古屋コーチン発祥、桃・葡萄の産地といった宣伝できる材料が沢山あるのだそうです。

 

 そんな中で子育て支援に力を入れ流出する人口を止めようと取り組みが進められました。

 

 地域ブランド調査を実施したところ「子育て支援」というキーワードも多く、小牧=子育て支援というイメージもついていることがわかりました。

 

 一方、小牧市に対する愛着と継続して住み続けたい市民は他市の市民に比べ高くなかったという結果も出たようです。

 

 そこで小牧市のイメージとして「子育てしやすい小牧市」と「小牧山」にスポットを当てて取り組みがスタートしたようです。

 

 ①史跡小牧山

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 小牧山城は夢チャレンジの始まりの場所としての位置づけ

 

 小牧市のシンボルとして位置づけ

 

 ②子育てしやすい町

 

 こどもの夢への挑戦の応援

 

 絵本専門の図書館(6000冊)

 

 待機児童削減に向けた取り組み

 

 小中学校エアコン設置率100%

 

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 ③ブランドの推進

 

 ブランドブックや絵本の作成

 

 等が取り組まれています。

  

 

【3】ブランドの推進

 

 地域ブランドを推進するにあたって小牧市では、職員の意識調査と若手職員によるプロジェクトチームで推進されています。

 

 さらに町づくりにかかわる団体の意見も取り入れながら進められているそうです。

 

 その中でロゴマークデザインも決定されました。

 

 このデザインは子ども達を色んな大人や地域の観光施設、特色が見守るイメージで作成されているとのことでした。

 

 さらに子ども達の意見を取り入れるためにロゴのカラーを市内の子ども会に協力をいただいて決定したそうです。

 

 結果はオレンジ色に決まりました。

 

 一方、この事業は市役所の企画部門だけの発想では進まないとの認識のもと、各課横断的に取り組むようにするために「地域ブランド戦略推進委員会」を発足され各課一人は推進委員を選出しているそうです。

 

 縦割りから横断的な取り組みへと発展されています。

 

 

 

【4】具体的な取り組み

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 小牧市をPRするための取り組みとして、

 

 ①ブランドムービーの作成

 

 市内の映画館にて映画上映前にPRムービーを流してもらう

 

 ②デジタルサイネジーの実施

 

 名古屋駅の柱に電子公告

 

 ③WEB広告の実施

 

 検索画面に広告を

 

 ④地元高校の写真部と連携した取り組み

 

 生徒が撮影した写真をポスターに使用

 

 ⑤市内不動産会社と連携

 

 地域情報誌の発行

 

 ⑥運送会社との連携(子どもミュージアムトラック)

 

 トラックに小学生の絵と小牧ロゴマークを掲載

 

 

 

【5】今後の課題

 

 行政はやれば終わりという感覚に陥りやすく、その成果を具体的にとらえて検討しなければならないと考えられているようです。

 

 息の長い取り組みにしたいが、その都度成果の確認、課題の確認を行う必要があると認識されています。

 

 そういったことも踏まえ、市民・企業・団体など連携を強め、「住み続けたい小牧」を目指したいと奮闘されています。