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2022-03-20 02:17:00
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左3本は昔から日本にある在来種の人参、右3本はみんなに人気の"スーパーヤサイ人参"です。

 

直売所に並べるとその鮮売力の差は歴然で、在来種はハネだされゴミ扱いされてしまうほどです…

 

"スーパーヤサイ人参"とは特定の在来種と別の在来種の交配によって産まれる超·在来種とも呼ぶべきもので(一般にはF1種という)、

色形味が揃う、耐病性を持つ等、一代限り優れた遺伝子を持ちます。

 

弱点はスーパーヤサイ人参の子供は必ずスーパーヤサイ人参になれず遺伝子が分散してしまう事。

 

種子メーカーは両親となる在来種を保持し、存続する事でスーパーヤサイを大量生産します。

かつて、この親となる品種の組合せを発見する事が種子メーカーの夢であり、メーカーの生き残りの鍵でありました。

 

一つのスーパーヤサイが産まれ、お客さんにヒットすればメーカーは儲かるし、生き残れる。

種子メーカーが乱立する時代はそれが経済的にも良い循環をもたらすものでしたが、時代と共に事情は変わります。

 

競争によって淘汰されていった結果、巨大企業だけが市場を独占する事になります。

巨大企業は資金力がありますから、圧倒的効率でスーパーヤサイ、スーパー穀物種子を開発し、大量生産する事ができます。

 

これもまた自然なことではあるんですが、

品種が激減してしまったり、遺伝子組み換え作物が出回ったり、問題もあります。

なにより日本が種の生産弱者である事も大きいのです。

 

種子生産は広大な面積と動員の確保ができる企業が有利です。

日本の企業は新種を産む技術は持っていても国内生産力はないので、海外で種子を生産するか外国メーカーに委託します。

 

現状、外国産種子の価格は高騰してますが、日本が貧しくなればなるほど苦しくなり、

最悪、外国企業による種市場の独占ということになるかもしれません。

 

「なる」と、今まで想像できませんでしたが、想像できる所にいる様な気がします。

 

 

飛躍しましたが、

そこで在来品種が重要になってくるのです。

在来種は地味で、格好が悪くて、甘くない。

でも農家が採種できて、国内自給ができて、

スーパーヤサイよりも栄養価が高いとも言われています。

 

 

スーパーヤサイは確かに魅力的で、

愛される"みんなのヒーロー"なんですが、

私達自身では無い。

私達が目指す夢であり理想ではあるが、

文脈では無くなってしまうかもしれません。

 

スーパーヤサイヒーロー達の活躍をスゲースゲーとただ消費していたら、いつの間にか

「私達の物語は失われる」かもしれません。

だから一歩昔に戻ってルーツを観ることも必要です。

 

ヒーローの登場を待ち望むのではなく、私達自身が物語の主役になるべきです。

その時、少年は青年へと跳ぶことができる…

 

日本という塊魂が成熟する分岐点に来ているかもしれませんね!