ごあいさつ

インフォメーション

2019-06-14 08:36:00

腫瘍の専門医によるアップデートのセミナーです。これは非常に人気があり夜の遅い時間に始まりますが、相当の数の獣医師が集まってきます。若い獣医師が多いのは、良いことでありますが、業界全体のことを思うと、ちょっとどうかなとも思います。

肥満細胞腫、これは悪性の腫瘍、癌です。ただし、グレードやステージにより切除してしまえば完全に治癒する場合も多くありますが、完全に切除するには、外科医の経験とスキルの差が大きく出てしまうことがありますので、注意が必要です。

アップデートとしては、やはり今流行りの抗癌剤の一種である分子標的薬、この薬はちょっと前までは非常に高価で一般には手を出しにくい物でしたが、後続品なども出るようになり、やや価格も下がってきたので、一般のクリニックレベルでも使われるようになってきました。一部の肥満細胞腫には非常に効果的な薬剤です。以前からの抗癌剤と異なり、特定のがん細胞を狙い撃ちする作用があるので、正常な細胞にダメージを与えないという特徴が非常に優秀であると評価されるところです。

今後の癌治療は、ここが重要なところで、癌は消滅したが、体も弱ってきてしまった、さらには死んでしまった、ということではなく、癌細胞のみ狙い撃ちでき、正常細胞は温存できるような治療法に向かいつつあります。