網膜上膜形成症

網膜上膜形成症

 

 網膜上膜とは、読んで字のごとく網膜の上にできる薄い膜状の病変です。
 網膜の中心部の黄斑部という網膜の大切な所の上に膜ができてしまうために、それが収縮すると網膜を牽引、障害してしまい、歪みを訴えたり、視力が低下したりする病態です。

 

 自然に回復したり、薬物などによる治療がありませんので、症状が強く、視力障害の原因が網膜上膜であることがはっきりしているには手術による治療の適応があると考えています。
 ただし、膜があっても視力が良い場合がかなり多くありますので、ある程度視力低下が起こり、その症状が進行している場合にご本人の希望があれば手術が行います。

 

 治療はその上膜をとる手段として硝子体手術を行います。
 手術は局所麻酔で行います。手術時間は症例にもよりますが大体1時間です。
 手術は眼の中に直接器具をいれて、上膜を除去します。
 高齢者ほど術後に白内障が必ず進行するため、目安として50歳以上の方は必要あれば白内障手術も同時に行います。
 症例によっては眼内をガスで置換する場合があり、その時は病変のある黄斑部にガスを押し当てるために術後うつ伏せ等の体位保持が必要です。

 

 ただ視力は全例で上がることはありません。上がると言っても元のように見えるようになるわけでも、歪みが全くなくなるわけでもありません。
 大体おおまかにいって6割位の人は上がりますが4割位の人は上がりません。また上がらない人も術後明るくなったと感じる人が多いようです。

 

 術後の視力回復は、しばらくは術後炎症等により術前よりむしろ悪くなることがあります。
 特に眼内にガスを入れたときには、ガス越しにものを見ることになりますので、より見えにくくなります。
 その後視力回復は除々に起こり、術後6ヶ月~2年かけて続いていきます。

 

 

 

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