畳と正座

 高床式・これが我が国の住まいの特徴です。
上下足を厳しいまでに区別していることです。
裸足のまま外に出る又は土足で家の中に入るなど

これは異常な行動と思われても仕方がありません。
高床式に言うと熱帯の地域の住まいと思われがちですが

日本の建築基準法に床の高さが45㎝以上とするように定められています。
まさに立派な高床式です。
外の汚れを床に持ち込まない清潔な空間としての生活の基盤これが日本古来の建築です。
高床式のこれは弥生時代の支配階層の住宅までさかのぼらないと説明できないようです。
高床の「床」これが板床で座る・寝るには少し固く居心地としては余りいいものではありません。
ここに「畳」が敷かれるようになるのは平安時代の貴族の住居である寝殿造りからです。
寝たり座ったりする所にだけ敷かれたもので今の畳より柔らかい作りに出来、

置畳と言い大きな座布団的な役割をするものです。

現代に近い形の部屋全体に畳が敷き詰められるのは室町時代以降で

江戸時代の書院造りで一般的になったものです。
「正座」畳の上では常識・しかし”十二単”を着た平安の高貴な女性たちは立ち膝だったと言われています。
また千利休らによる茶道もあぐらや立ち膝で楽しんだと記録されている説もあります。
そういえば朝鮮半島の女性たちも立ち膝が正式、それでは正座の誕生は、

それは江戸時代将軍吉宗の時代に武士の立居振舞の作法として生まれました。
そして武士階級に短期間に広まり庶民の間には明治時代になってからということで、

正座の歴史は比較的新しい文化といえます。