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2019.07.07 (Sun)  23:19

愛犬りゅうくん

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もう4年程も前から毎週のようにケーキを買いに来てくださるニコニコと優しい笑顔のロマンスグレーのお客様。

この前はいつもと違って、息急き切っていらっしゃって、「あ、あのさ、うちのワンちゃん来週17歳になるんだけど、お誕生日ケーキ作ってくんないかな?もう寿命でさ、食欲なくて寝たきりになっちゃって。もちろん、食べるのは僕だよ。これが最後のお誕生日になるから、記念に作ってあげたくてね。さっき病院行ったらあと余命数日みたいで。来週のお誕生日まで生きてられるか分からないんだけど…。」

17歳を迎えるワンちゃんは、私も何度かお散歩中にお見かけしたことがある横顔が凛とした柴犬、りゅうくん。大好きなりゅうくんのことはお話からも何度も伺っていて、最近老衰で体調が悪いことも知っていました。

「わかりました!心を込めて作りますね!」

お写真をもらって、チョコペンで柴犬くんを描く。

ご主人様にリードにつながれてお散歩中の嬉しそうなお顔。

 

あれ。。

 

どうしよう。。。

 

チョコペンで描く手が震える。。。

 

一人暮らしのご主人様の愛する気持ちと、寿命と戦っているりゅうくんのことを思うと、胸がギューッと締め付けられて、涙が込み上げてくる。

 

う、う、うわ〜〜〜〜ん。゚(゚´Д`゚)゚。

 

どうか、どうか、お誕生日まで間に合いますように…!

 

こんな気持ちでケーキを作ったのは初めてでした。

 

「おかげさまでお誕生日迎えられたよ。ありがとう。」

 

ご主人様はあまり眠れていない様子でしたが、次の週にケーキをとりに来てくれました。

 

きっと、りゅうくんがずっと思っているであろう「ありがとう」の気持ちを添えさせてもらったら、ニッコリ笑っていました。

 

虹の橋を渡ったのは、それからから4日後だったようです。

 

「寝たきりだったけどね、ケーキを見せたらね、クンクンって鼻をあげてにおいを嗅いでくれたんだよ。最高のプレゼント、最高の思い出になったよ。」

 

とても切ない気持ちだったけど、お客様の心に寄り添えるケーキをお作りすることができてよかった✨

 

「ありがとう」「おめでとう」「大好き」「元気でね」「頑張って!」など、小さなケーキ1つにも、そのお客様の人生のステージのひとコマを盛り込むことができると私は思うのです。

 

そのお手伝いができたらとても嬉しいです😊

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