ごあいさつ

人格解離とは?

【 人格解離とは? 】

人格解離とは医学的に「解離性同一性障害」、別名「多重人格症」とも言い、本人にとって耐えられない状況を「これは自分に起こっていることではない」と感じたり、一時的に記憶や感情を切り離すことによって、心のダメージを回避しようとする症状のことを言います。 

 

その切り離した感情や記憶が本人とは別の部分で成長し、別の人格となって現れることがあります。その人格を「別人格」や「交代人格」と言います。交代人格は、本人が制御できず、勝手にしゃべりだしたり、行動する時があります。そのため、いつもの本人と、全く違うキャラクターに見える現象。それが人格解離です。

 

 

【 簡単に言うと? 】

 「二重人格」や「多重人格」と言うとわかりやすいと思います。二重人格や多重人格は、フィクションの世界ではなく、実際にそれで苦しんでいる方がたくさんいます。

 

 

【 解離現象は病気ではない 】

 解離現象は元々は病気ではなく、誰にでも起こりうる現象です。例えば「交通事故にあって、車にぶつかった時の記憶がない」とか、「ヘビを見て気を失った」なども解離現象の1つです。人は自分が生きていく上で耐えられない恐怖や、ショッキングな不幸にあった時、一時的に自己を切り離し、身を守ろうとする防衛能力があります。これを「解離現象」と言います。

 

 

【 人格解離は理解されない 】

人格解離は、他の人が見ると、演技をしているように見えるということと、「解離性同一性障害(人格解離)」という言葉が一般的に知られていないという理由から、多くの人が一人で苦しんでおられます。残念ながら「解離性同一性障害(人格解離)」を診断できる医師は日本には少なく、研究も欧米に比べ10年以上も遅れています。

 

さらにホラー映画やアニメなどに出てくる「二重人格」や「多重人格」は、「犯罪者」や「怖い人」、という描かれ方が多く、誤解も生じやすいです。

 

  

【 人格解離者のほとんどは女性 】 

人格解離者の5~9割は女性と言われています。中に「幼児人格」と「男性人格」をもっている人が多いです。女性の方が心が不安定で、心労や怒りを外に出すことがなかなかできません。だから解離も起こしやすいのかもしれません。

 

 

【 世界で最も有名な人格解離者 】 

1995年、「ビリー・ミリガン」というアメリカの犯罪者が、人格解離ということが認められ、無罪になったことで、一気に人格解離(解離性同一性障害)という言葉が広まりました。しかしこの事例で、「人格解離者=犯罪者」というイメージもついてしまいました。

 

実際の人格解離者は圧倒的に女性が多く、犯罪より自傷行為をする人が多いです。

 

 

 

 

【 世界で最も有名な二重人格者 】

映画「ジキルとハイド」が世界的に一番有名な二重人格者でしょう。この物語はフィクションですが、あまりにも有名なので、人格解離(解離性同一性障害)の代名詞として使われることもあります。

 

 

 

【 人格解離者には大きく2種類のタイプがある 】

これはあくまでも持論ですが、多くの人格解離者を見ていますと、解離者には大きく2つのタイプに分かれると思っています。

 

①多数の人格が存在し、自分の中で矛盾や疑問を感じながらも、それなりに社会生活が送れる軽症者。

 

②頻繁に記憶を失い、時に突拍子もない行動をしてしまうので、医師や周りの人のサポートがないと生活できない重症者。

 

大きくこの2つに分かれると思っています。②に関しては専門医にかかって頂きたいのですが、①に関しては「個性」と受け止めても良い人達だと思っています。人格が複数いることを否定するのではなく、「ちょっと変わってるだけ」や「ユニークな面があるだけ」と受け止めることで、社会生活は十分可能ですし、友達も作ることができるというのが、僕の提唱です。実際に社会で働いておられる人格解離者さんも多いです。

 

 

【 人格解離者は頭がいい人が多い? 】 

人格解離者は頭脳が優秀だったり、手先が器用だったり、芸術センスに優れている人が多いと言います。クリエイターや何かの専門学者などには、人格解離者が多いと言われています。

 

もちろん全ての人がそうというわけではありませんが、実際に何人もの人格解離者と話したところ、軽症者は努力家だったり、真面目な人が多かったり、職場に適した人格が働いていたりするので、世間から良い評価を得ている人も多いです。また「絵を描くのが得意」「歌を歌うのが得意」「楽器演奏が得意」など、アーティスティックな能力が高い方が多いと感じています。

 

 

 【 日本の解離の研究は遅れている 】 

ヨーロッパに比べ、日本の人格解離(解離性同一性障害)に関する研究は10年以上も遅れていると言われています。それを診断できる医師も数も少なく、日本で人格解離を診てもらえる病院はとても少ないです。見つけたとしても予約待ち状態になったり、地方の人は、都心部に出てこないといけなかったり、治療が受けにくい状態です。

 

 

【 これは解離現象ではない 】

飲酒による記憶喪失は解離ではありません。

 

また「ハンドルを握ると人が変わる(車の運転をすると性格が変わる)」というような表現もございますが、こちらも解離現象ではございません。

 

 

【 治療の方法は? 】

「人格統合」と言う治療を行うのが一般的です。バラバラになった人格を統合して、1つの人格にするという方法で、多くの医師はこれを勧めてきます。

 

しかし多くの人格解離者はこれをイヤがります。「人格統合」ということに、恐怖を感じる者が多いからです。

 

ここからは、人格解離と診断されたことがある僕の個人的な意見ですが、人格統合をしなくても、社会生活をすることは可能です。人格を統合をすることよりも、「そんな自分とどう付き合っていくか」の方が大事だと思うからです。要は解離した人格達を、自己コントロールできるようになれば問題ないわけで、僕は「人格統合」という治療法よりも、「人格共存」という方法を勧めています。

 

「人格解離について相談したい」「不安を聞いて欲しい」という方、また「精神病院に行くことに抵抗がある」という方は、電話メールでお聞き致しております。是非ご利用下さい。

 

 

【 これをしてはいけない 】

人格解離者に対し「それは演技だろう」と強く否定したり、「ウソつき」などという言葉を浴びせかけると、人格解離者は余計に心を閉ざしていまします。また、本人の意思を無視して、無理やり人格統合を進めようとすると、さらなる解離を起こしかねません。

 

人格解離者は、好きで人格が分裂したわけではありません。何かの大きな悲しみやショックにより、今のような状態になってしまったのですから、まずは解離者の今の状況を肯定し「何が苦しい(悲しい)のか」話を聞いてあげることによって、ゆっくりと心を開いてあげることが必要です。根本的な心の問題を無視し、現状を否定したり、無理やり統合しようとすると、事態はもっと悪化してしまいます。

 

 

【 人格解離と勘違いされやすいもの 】

「離人症」…自分が自分でないような気がするという感覚が、人格解離に似ています。離人症と人格解離を分別するのは、プロの医師も難しいと言われています。人格解離と離人症を併発する人もいます。

 

「イマジナリーフレンド」…心の中の友達という意味です。イマジナリーフレンドをもっていることは病気ではなく、小さな子供であれば誰にでもみられる現象です。自分の中のイマジナリーフレンドに対し、現実にいる人間よりも、強い存在感を感じている人もいるので、人格解離と間違いやすい症状です。

 

「タルパ」…呪術により、自分だけが見える別の人間を生み出すものです。人格解離は呪術ではございません。

 

 

 

 

( 最終更新日 2017年3月11日 Hyde )