マスターのひとりごと ⑥ (Ironman Swizerland Ⅱ)

 このコースを2周回して180km走ります。

 

もう既に1周回走っていますので、2周回目は何となく走りやすいです。とはいっても「The Beast」の下りは二度目もやはり、怖かったです。1周回目よりもスピードは出ていたようですが、スピードメーターに目をやる余裕はありませんでした。レース終了後、最高速を確認しておおいにビックリしました。 [75.5km/h] とあるではないですか!私の自転車乗りの歴史史上最速です。もうこれ以上のスピードが出ないことを祈ります。なんていったって、私ももうじき54歳ですので・・・。

 

700kmの自転車旅が効果的だったのかもしれません。180km走り終わりそうになっても過去9回のレースの時ほどの疲労感はありません。尻の痛みがなかったことが何よりも喜ばしいことでした。無事、BIKE終了。

 

 

 

BIKE   617’01”    5054歳 77 /155         全体 915/1583

 

 

 

平均時速は28.69km/hでした。目標にしていた30km/hまでは届きませんでした。

 

 

 

T2。焦らず、急がず、のんびりと自転車を降り、テントへ。キャップを被り、補給食を詰めた腰ベルトをしっかりして、シューズの紐をきつく締めて、さあ42.2kmに出発です。

 

このコースは10km4周回、ZURICHの街のど真ん中を走ります。世界中から来ている観光客はIRONMANレースの日にたまたま居合わせてしまっただけの人達です。まあ選手の家族や友達も多少はいることでしょうが、ほとんどの観光客は、いったい何のレースが行われているんだこりゃあ、といった人たちばかりだったはずです。RUN では、1周回するたびに色が違う腕輪をはめるので、選手の回った回数は簡単に判別できます。私が走り始めた時には既に、二本の腕輪をはめている選手もチラホラ見かけましたから、その差も一目瞭然です。

 

IRONMANレースのRUNでは入りの1kmのタイムが肝心です。入りのスピードのまま走り続ける傾向があるからです。構想では5’45” 程度で入り、そのまま行けるところまで行くというプランを立てていましたから、コース上に設けられた五か所のエイドステーションに立ち止まってのんびりしている暇などないはずなのですが、精神的に脆いワタクシ、どうしても甘さが出て、エイドで長居してしまいます。

 

RUNコースは観光客が誤って入り込まないように作ってありますが、湖岸のビーチ沿いの遊歩道がそのままコースになっていたりしますので、目のやり場に困るようなビキニの女性が目の前を横切るといったことが普通にあります。コースそのものはUP&DOWNが少なく、適度に日影もあり、応援も途切れることがない非常に良いコースといえます。

 

なぜか、「HIROSHI  ! 」とか「JAPAN  ! 」とか、「SAMURAI  ! 」と叫んで応援してくれる人がたくさんいます。どうやら、腹のところにある私のゼッケンの番号と名前が見えるらしいのです。それも、私とすれ違う10mほども前から認識できるらしいのです。そうなると私も礼をせざるを得ないわけでして、「Thank you」を繰り返す羽目になります。どうやら、スイス人に近眼の人はいないようです。

 

1周回終わって、コース上にあるトイレに駆け込みました。競技補始めて8時間ほど過ぎて初めての小用です。水分は既に3ℓほどとっていたはずですので曇りがちの天候とはいってもさすがに排出の時間です。しかし一時間後、またしても尿意。トイレに駆け込んだものの、あれ?出るはずのものが出ません。それどころか、下っ腹の辺り、膀胱の奥の方で妙な鈍痛があります。感じたことのない感覚です。まあ、体が限界だ!と訴えているのでしょう。レース中に飲む補給食の取りすぎのように直感しました。体力の限界が近づいてきている状況の中でそれほどスピードを上げられず、ただただ一定のペースを守って走っている中でも補給食だけは適度にとっていましたがどうやら消費量よりも補給の方が過多だったように思ったのです。というわけで、補給食を少なめにし、水の摂取に努め、体内を水っぽくすることにしました。それが功を奏したのか、その後、妙な尿意を感じることはありませんでした。

しかしペースは上がりません。それどころか6’30” 程度に安定しています。4時間切りを目指してトレーニングを続けてきました。体重も5km減らし、30km走を4回こなしました。自転車旅の途中でも、一度だけでしたが、好奇の目に耐えながらオーストリアの田舎町で10kmほど走りました。しかし、今日の本番では、RUN どころかJOGにもなっていず、摺り足に近い走りです。わかってはいるもののそう簡単にペースは上げられません。といいますか、落ちないように維持するだけで大変です。エイドステーションでの滞留時間も徐々に伸びていたかもしれません。20km2周回終わってもまだ、20km残っています(当たり前)。その頃には、もうゴールしている人も大勢います。ゴールは、最後4本目の赤い腕輪をもらった後、1kmほど走り、周回コースを急に180度回ると、赤いカーペットが敷かれたビクトリーロードが現れ、それが最後の100mです。従って、まだゴールではない選手と、もうゴールする選手がゴール直前の180度の急反転する地点までは入り乱れて走っています。並走していた選手が急転回してゴールへ向かっていくと急に気持ちが萎えます